相川DeNAが始動──若手首脳陣とデータ野球で“勝てるチーム”へ
若手コーチ陣とデータ分析を軸に、“守り勝つチーム”への再構築が進みます。
横浜DeNAベイスターズは11月1日、2026年のコーチングスタッフを発表しました。
相川亮二新監督のもと、「若手首脳陣+データ分析」という新たな体制がスタートします。
三浦監督時代の「凡事徹底」を継承しつつ、チーム全体を“リーグ優勝できるチーム”にする布陣です。
1. 捕手出身・相川監督が目指す「守備と投手のチーム」
相川監督は就任会見で、三浦監督の背番号81を引き継ぎ、「バッテリーを中心としたチームづくり」を目指すと明言しました。
DeNAはこれまで「打撃のチーム」という印象が強かったですが、相川監督は「守り勝つ野球」を目指す意図が窺えます。
2025年のDeNAは得点力ではリーグ上位に入りましたが、守備や投手の安定感には課題を残しました。
相川監督はその弱点を“捕手的視点”で立て直そうとしています。 バッテリーの連携、データに基づいた緻密な作戦、そして守備の精度向上が、2026年に向けた最重要テーマとなりそうです。
2. 若手参謀陣が率いる「データ重視の戦術」
首脳陣には、データ分析と現場経験のバランスを重視した人材が揃いました。
-
ベンチコーチ:靍岡賢二郎
-
打撃戦術:中井大介
-
守備走塁戦術:藤田一也・河田雄祐
-
投手戦術:小杉陽太
30~40代を中心とした若手コーチが多く、分析力と現場感覚の両立が期待されています。
特に中井コーチと藤田コーチは今季2軍でデータを活用した戦術を磨き、その成果を1軍へ持ち込む形となりました。
また、昨季オフェンス面を統括した靍岡コーチは今季からベンチ全体を支える立場となり、監督の意図を最も近くで具現化するキーマンになります。
アナリスト出身スタッフの意見も積極的に取り入れ、より戦略的な試合運びを目指す方針でしょう。
3. 巨人から加藤健コーチ招聘──バッテリー強化の切り札
11月3日には、巨人で6年間バッテリーコーチを務めた加藤健氏の招聘も発表されました。
相川監督とは巨人時代のチームメイトであり、意思疎通のしやすさは抜群です。
捕手同士の信頼関係をベースに、相手投手の攻略の糸口を探ったり、逆に投手の力を引き出す配球など、“情報戦”でもDeNAの武器になるでしょう。
巨人の投手陣を熟知する点でも、セ・リーグ内での対策力アップが期待されます。
相川・加藤両氏のタッグによる“バッテリーの再構築”は、新体制の象徴的なポイントといえます。
4. 村田修一2軍監督×田中浩康コーチの育成タッグ
2軍監督には村田修一氏が昇格しました。 今季は1軍で打撃指導を担い、後半戦にチームの得点力を飛躍的に向上に貢献させた実績を持ちます。
参謀役には田中浩康コーチ。こちらも選手への指導が熱心で、2軍の育成環境がさらに充実する見込みです。
1軍主力の多くが30代に入りつつある今、若手育成は急務です。
村田・田中浩コンビが中心となり、次代の主力をどれだけ1軍に送り込めるかが、2026年以降のDeNAを左右します。
5. 進藤達哉・大原慎司──“裏方の改革”も進行中
注目したいのは裏方ポジションの変化です。
過去に編成本部長を務めたことのある進藤達哉氏が、来季は2軍内野守備走塁コーチに就任します。
フロントの最重要役職まで務めた人が、2軍のいちコーチになるという異例の“現場復帰”ですが、フロント経験者ならではの俯瞰的視点で選手育成に関わる狙いがあるのでしょう。
一方、今季1軍投手コーチを務めた大原慎司氏は「投手コーディネーター」に就任しました。
1軍・2軍をまたいで投手の育成方針を統括し、選手の状態管理やフロントとの橋渡し役を担うポジションです。
チーム全体の“育成と運用の最適化”を進めるキーマンになるでしょう。
6. データ×守備×走塁──2026年の戦い方
新体制のキーワードは「守備・走塁・データの融合」です。
相川監督はディフェンスチーフとして培った経験を活かし、「1点を確実に取りに行く」ための再現性を追求します。
DeNAは昨季、走塁面こそ改善しましたが、守備でのミスが失点に直結する試合も多くありました。
相川監督は「凡事徹底」を継承しながらも、取れるアウトを確実に取り、一つ先の塁を狙う意識を徹底していく方針です。
守備と走塁が安定すれば、チームの攻撃力がより際立つことになるでしょう。
7. 新体制の課題と期待
若手中心の首脳陣ということもあり、経験不足から当初は不安定になる場面もあるかもしれません。
しかし、選手との距離が近く、柔軟な発想で対応できる点は大きな強みです。
データと感覚の両立が進めば、三浦体制よりも一体感のある戦術野球が期待できます。
相川監督に求められるのは、「継承」と「独自色」のバランスです。
三浦監督の理念を受け継ぎつつも、自らの判断と感性を前面に出すことで、チーム全体の方向性を鮮明にしていく必要があります。
まとめ:DeNAをリーグ優勝できるチームへ
相川亮二監督を中心とした新体制は、単なる世代交代ではありません。
「守備・走塁・投手力・育成」をすべて再構築し、データを活かした戦略へ進化させる“リーグ優勝できるチームづくり”です。
若手参謀陣と育成型2軍首脳陣が連携し、球団全体が同じ方向を向くことで“勝てる組織”をつくる土台が整いました。
経験の浅さという課題を超え、“分析と情熱の融合”が実を結ぶとき、 2026年のDeNAはこれまでにない形で頂点を狙えるチームになるでしょう。
すでに登録済みの方は こちら