松尾汐恩は正捕手かコンバートか──DeNA編成から見る「急がない理由」

松尾汐恩の好調を受け、DeNAファンの間では「正捕手か」「コンバートか」という議論が急速に広がっています。しかし捕手起用は単純な実力比較だけで決まるものではありません。本記事ではチーム運用と将来設計の視点から、起用を焦る必要がない理由を整理します。
ハマノンタン 2026.02.23
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春季キャンプ後半に入り、練習試合が増えてきました。

その中で高卒4年目の松尾汐恩が、連日複数安打を放つなど好調な打撃を見せ、ファンの間では期待の声が一気に高まっています。

しかし松尾への期待が膨らむほど、避けて通れないのが捕手起用の難しさです。

DeNAには昨季まで山本祐大が1番手捕手として、チームを引っ張ってきました。その山本との起用をどうするかという問題があります。

「松尾を1番手捕手にすべきではないか」

「松尾は捕手以外でも使うべきでは」

松尾の出場機会を増やす目的で、こうした意見もファンの間で出てくるようになりました。

しかしこの問題は、単純な起用論ではありません。

本記事では、松尾の好調を評価しつつも、出場機会確保を焦る必要がない理由を整理します。

①まだ練習試合の段階である

まず最も重要なのは、現在はまだ春季キャンプの練習試合段階であるという点です。

シーズン開幕までまだ1か月近くあり、この期間ずっと好調を維持することは、レギュラー級の選手でも簡単ではありません。

さらに練習試合では、

  • 相手投手の調整登板

  • 配球テスト

  • データ集め

  • 若手中心起用

など、本番とは条件が大きく異なります。

つまり、今の好調はポジティブな材料ではあるものの、開幕起用を再設計するほどの判断材料にはまだなっていないと言えます。

松尾の調子が良いこと自体は歓迎すべきですが、現時点でポジションの変更を急ぐ段階ではありません。むしろ今は「評価を急がないこと」自体が重要です。

②現代野球では捕手は必ず併用になる

次に重要なのは、現在のプロ野球では捕手固定という考え方自体が成立しにくくなっている点です。

2025年の12球団を振り返ってみても、最も多くスタメンマスクを被った捕手でさえ108試合に留まっています。(阪神・坂本誠志郎)

他球団の主力捕手も100試合未満が多く、かつてのように「1人がシーズンを任される」時代ではありません。

捕手は

  • 体力消耗が激しい

  • 怪我リスクが高い

  • 投手との相性管理が必要

というポジションであり、複数運用が前提になっています。

実際、DeNAでも2024年終盤には山本祐大と伊藤光が故障し、戸柱恭孝がポストシーズン全試合でスタメンマスクを被る事態になりました。もし戸柱がいなかったら日本シリーズ優勝は難しかったでしょう。

これは例外ではなく、捕手というポジションの宿命です。

肉体的、精神的に疲労がたまりやすく難しいポジションのため、通常時でも併用が必要であり、アクシデントがあれば3人以上必要になる。

この前提を考えれば「山本か松尾か」という二択で考えること自体が、現代野球の実態とは合っていません。

山本も松尾も両方必要であり、さらに戸柱や他の若手捕手陣も必要で、簡単には崩せません。

だからこそ、オフシーズンに伊藤光がFA移籍した際には、新たに古市尊捕手を獲得しています。

これは球団側が捕手の重要性を認識している証拠と言えるでしょう。

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