2026年から始まる制度改革──次にNPBが導入しそうなMLB発ルールは?
こうした流れの中で、次に導入される可能性があるMLB発のルールは何でしょうか。
本記事では、ピッチクロック、牽制回数制限、ロボット審判の3つについて、導入された場合に起きる変化と課題を整理します。
2026年から、NPBでは新たな制度変更が行われます。
1つはリプレーセンターの設置です。
これは試合中にリクエスト要請があり、リプレー検証が必要な場面になった際に、球場外の「リプレーセンター」に常駐する審判たちで映像検証が行われ、判定結果が球場の審判たちに伝えられるものです。
映像検証に特化したセンターで検証することで、より精度の高い検証が可能になることと、球場外の第三者的な立場の審判が判定することで公平性を担保する狙いが伺えます。
もう1つはベースの拡張です。
従来より一辺を3インチ(約7.6センチ)ベースが大きくなります。これは走塁時の衝突リスク低減を目的として導入されますが、盗塁しやすくなるという効果もあります。
これら2つはどちらも既にMLBで導入されているもので、NPBもその流れに沿った形で導入されることになりました。
このようにMLBで導入されたルールや制度は、数年の検証期間を経て、NPBでも採用されることが少なくありません。
では、今後NPBで導入される可能性があるルールにはどのようなものがあるのでしょうか。
本記事では、特に議論が進みやすい以下の3つに焦点を当て、
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ピッチクロック
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牽制回数制限ルール
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ロボット審判
それぞれ 「導入されたら何が起きるのか」、さらに「どの順番で導入されそうか」「その際の課題」まで整理していきます。
① ピッチクロックは時間短縮も「間」が減る
MLBでは2023年に、投手や打者の動作時間を制限するピッチクロックが導入され、試合時間の短縮という明確な成果を上げています。
1試合平均で30分以上短縮されたというデータもあり、「テンポの良さ」は観戦体験を大きく変えました。
NPBでも近年は試合時間短縮を推進していますので、それならピッチクロックを導入すべきという声も出てきています。
一方、NPBで導入された場合、以下のような変化が想定されます。
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投手はルーティンの見直しを迫られる
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打者の“間”を使った駆け引きが減少
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ベテラン投手ほど適応力が問われる
日本野球は、間合いや呼吸を重視する文化が強く、ピッチクロックは競技内容以上に「感覚」を変えるルールになります。
そのため、NPBで導入される場合は
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MLBより長めの制限時間
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罰則は即ボール/ストライクではなく注意から
といった「日本仕様」になる可能性が高いでしょう。
② 牽制回数制限はベース拡張に加えて更に盗塁増加効果
MLBでは2023年に、投手が一塁などへ牽制できる回数に制限を設けるルールが導入されました。
これにより走者はスタートを切りやすくなり、盗塁数は大きく増加しています。
NPBでこのルールが導入された場合、
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俊足選手の価値が上昇
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捕手の送球精度・クイック対応が重要に
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投手は牽制に頼らない間合い管理が必要
といった変化が起きるでしょう。
すでにベース拡張が導入されるNPBにとって、「走塁を活性化させる環境整備」を更に推進するルールでもあります。
③ ロボット審判(自動判定)は審判の存在価値を問われ慎重
MLB傘下のマイナーリーグでは、2023年からストライク・ボールを自動判定するロボット審判が試験導入されています。
判定精度は極めて高く、誤審はほぼ排除されています。
しかし、NPBでの導入は最も慎重になる分野でしょう。
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フレーミング技術の価値が低下
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判定への抗議や不満は減少
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審判の存在感が薄れる
特に、「審判が不要になるのではないか」と審判の存在価値を問われるようなことにもなりかねません。
導入するとしたら、全面導入ではなく、限定的な補助システムから始まる可能性が高いと考えられます。
NPBが最初に導入しそうな順番予測
MLBで成果が出ているからといって、NPBが同じ順番・同じスピードで改革を進めるとは限りません。
これまでの傾向を踏まえると、導入される可能性が高い順番は以下の通りです。