なぜ急に点が入る?2026年プロ野球で起きている“異変”
2026年シーズンは、ここ数年続いていた“投高打低”の流れに変化が見え始めています。
4月13日時点の平均得点は、セ・リーグで3.45、パ・リーグで3.74と明確な上昇傾向を示しています。
これは単なる一時的なブレなのか、それとも環境の変化なのか。
そして、この変化は各球団の戦い方にどのような影響を与えるのでしょうか。
本記事では、得点増加の背景と「勝ち方の変化」を整理します。
① 数字が示す“明確な環境変化”
2021年以降の3,4月の平均得点を見ると、2023〜2025年は明確な投高打低の時代でした。
年度 セ パ
2021年 3.67 3.76
2022年 3.72 3.27
2023年 3.13 3.34
2024年 3.05 3.08
2025年 3.09 3.13
2026年 3.45 3.74(4/13時点)
特に2024,25年は極端に得点が入りにくく、「1点の重み」が非常に大きいシーズンでした。
しかし2026年は大幅に上昇しています。
特にパ・リーグは2021年以来の水準であり、リーグ全体として“得点が入りやすい環境”に戻りつつあると考えられます。
② なぜ得点は増えているのか
この変化の要因は一つではありませんが、主に以下の3点が考えられます。
まず、打者側の適応です。
近年の投手優位の環境に対し、各球団がスイング改革やアプローチ改善を進めてきました。
結果として、長打や強い打球が増えている可能性があります。
次に、投手側の停滞です。
近年の投高打低で投手側はむりに球威を上げようとせず、圧倒的な球威で押し切ったり三振を奪うことが減って、捉えられた時に長打になりやすくなった可能性も考えられます。
そしてもう一つは、ボールや環境要因です。
NPBの発表では反発係数は基準値内としていますが、ボールの管理方法や気温・気候の変化によって打球の飛距離が微妙に変わるケースは過去にもありました。
これらが複合的に重なり、得点増加につながっていると考えられます。
③ “1点勝負”から“打ち合い”への回帰
得点環境が変わると、試合の性質そのものが変わります。
これまでの低得点環境では、1点を取りに行く采配が必要でバントや進塁打を重視したり、逆に1点を守り抜くためにリリーフの細分化といった「守り勝つ野球」が主流でした。
しかし得点が入りやすくなると、こうした戦略の価値は相対的に下がります。
なぜなら、2024〜2025年は「1点をどう取るか」でしたが、2026年は「1点では足りない」野球に変わりつつあるからです。
その結果、試合は「いかに点を防ぐか」から「いかに点を取り続けるか」へとシフトしていきます。
④ この環境で重要になる3つのポイント
では、この“打高環境”で勝つために重要な要素は何でしょうか。
まず一つ目は、長打力です。
単打を積み重ねるよりも、1打席で複数得点を生み出せる打者の価値が上がります。
二つ目は、出塁率の高い打者の配置です。
得点が増える環境では「つなぐ力」がより重要になります。
長打と出塁の組み合わせが得点効率を大きく左右します。
三つ目は、“圧倒的なリリーフ”の価値上昇です。
打高環境では先発が失点するのはある程度前提になります。
その中で、「試合終盤を確実に締めるブルペン」があるかどうかが勝敗を分けます。
つまり、打線の活躍で得点数を上回って、終盤で逃げ切るという構造がより重要になります。
ここまではNPB全体の「投高打低→打高投低」への変化についてまとめました。
では、ここからはDeNAがこの環境変化にどう対応していくべきか、“具体的な打順設計と投手運用”に踏み込みます。