なぜDeNAの育成選手は増えなくなったのか──拡張から最適化へ、編成思想の転換

DeNAの育成選手はこの10年で大きく増えました。
しかし近年は人数が横ばいとなり、運用の形にも変化が見えています。
育成人数の推移から、球団の編成思想の転換を読み解きます。
ハマノンタン 2026.03.06
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横浜DeNAベイスターズの育成選手は、この10年で大きく増えました。

2017年はわずか5人でしたが、2026年開幕前の現時点では15人まで拡大しています。

しかし、常に増え続けているわけではなく、直近3年は15人前後で横ばいが続いています。

さらに当初と大きく違うのが、かつては多く在籍していた育成外国人選手が、2026年開幕前の時点ではゼロになっていることです。

これは育成選手を増やしていく過程で、当初の方針とは違う形になっていると言えるでしょう。

  • なぜ15人前後で留まっているのか

  • なぜ外国人育成をやめたのか

育成人数の推移は単なる数字の変化ではなく、そこから球団の編成思想の変化を読み解きます。

■ 2017〜2020年:少人数構成の時代

2017年から2019年まで、DeNAの育成選手は3〜5人規模でした。

当時はまだ「育成大量確保型」の球団ではなく、育成といえど少数精鋭を意識した形になっていました。

この時の育成選手で、後に支配下登録を掴み1軍でも結果を残した選手だと、中川虎大、宮城滝太がいます。

少数といえど成功例がしっかりいるのは育成選手制度をうまく活用していたと言えるでしょう。

育成外国人ではコルデロ、デラロサ、ディアスらがいましたが、逆に彼らは残念ながら1軍で活躍するには至りませんでした。

■ 2021〜2024年:育成選手の拡張期へ

転機は2020年以降です。ここから育成選手を顕著に増やしていってます。

2020年に5人だったのが、2024年には16人までになりました。

構成を見ると投手が全体の半数以上を占め、その他に捕手、内野手、外野手がいる形です。2023年以降はどれも最低1人はいるようになっていて、バランスも意識しているように見えます。

この期間で獲得した育成選手で、後に支配下を掴んで活躍している選手だと石川達也、勝又温史、庄司陽斗、九鬼隆平などがいます。また外国人選手でも、ディアスやマルセリーノは支配下登録を掴みました。

ただ、1軍戦力として定着できている選手はまだおらず、退団したり再度育成に戻っている選手もいて、人数を増やした割には効果が薄いのが正直なところです。

■ 2025年以降:育成は増やさず外国人選手は減少へ

2024年は16人にまで増えましたが、以降は人数を増やさず、2026年は15人で開幕を迎える想定です。

また、外国人選手は減らしていって、2026年開幕時はとうとう0人になりました。

これは明らかに、方針を変えたと言えます。

なぜ変えたのか、考えられる理由は3つあります。

① 3軍を持たない構造的上限

福岡ソフトバンクホークスや読売ジャイアンツは3軍制を敷き、2026年開幕前には40人以上の育成選手を抱えています。

これは3軍どころか4軍まで作れるぐらいの人数の多さです。

この2球団ほどではないものの、西武、オリックス、ロッテなども20人以上保有していて、育成選手だけでチームを作れるぐらいの形を作っています。

一方、DeNAはそこまでにはなっておらず、3軍も持っていません。

社会人や独立リーグのチームと練習試合を行う機会は増えていますが、常設3軍ほどの試合数はありません。

このことから、完全に育成選手主体の3軍を作るのではなく、2軍の中で管理しつつ対外試合は増やして実戦経験を積ませるようになっていると言えます。

育成選手が増えすぎると、以下の問題が発生します。

  • 実戦機会を増やしにくい

  • 指導が分散する

  • 管理コストが増える

また、これらの問題を上回る成果を出せるなら良いですが、DeNAのこれまでの実績だと、人数を増やせば1軍で活躍する選手が増えるというわけではありません。

つまり、15人前後が運用上の最適値である可能性があります。

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