阪神との差は縮まったのか──DeNAが選んだオフの補強戦略を検証

阪神に13ゲーム差をつけられた2025年。DeNAはその差を埋めるため、オフに補強へ動きました。狙いは戦力の上積みではなく、チーム構造の見直し。阪神との差は本当に縮まったのかを検証します。
ハマノンタン 2026.02.11
サポートメンバー限定

2025年、横浜DeNAベイスターズはリーグ2位でシーズンを終えましたが、首位・阪神タイガースとは13ゲーム差をつけられ、最終的には大きな開きがありました。

シーズン中には互角以上に戦えた時期もあった一方で、年間を通して見ると、安定感という点で差があったことも事実です。

オフシーズン、DeNAはこの差を埋めるべく補強に動きました。

では、その狙いはどこにあり、阪神との差は本当に縮まったのでしょうか。

戦力構造という視点から検証していきます。

阪神との差は、どこにあったのか

2025年のDeNAと阪神の差は、単純な戦力の「最大値」よりも、シーズンを通した安定性に表れていたように感じられます。

DeNAは月別で見ると、5月や9月に月間トップの成績を残しており、主力選手が好調な時期には阪神と互角、あるいはそれ以上の試合内容を見せてきました。

一方で4月、6月、7月、8月などでは、いずれもリーグ下位の月間成績で、接戦を勝ちきれず不安定な状態でした。

対する阪神は月間成績がリーグ下位になったことが無く、常に上位をキープし貯金を作り続けてきました。

これは偶然ではなく、チーム構造の差が結果として表れたものだと考えられます。

外国人選手とベテラン依存がもたらしていた課題

ここ数年のDeNAは、チームの中心として活躍する外国人選手や、実績あるベテラン選手の存在感が非常に大きいチームでした。

中心選手がチームを牽引し、短期的には高いパフォーマンスを発揮できる一方で、いくつかのリスクも抱えていました。

  • シーズン後半にかけての疲労蓄積

  • 不調時に代替できる選択肢の少なさ

  • ポジション毎の強弱がはっきりしている

これら構造的な問題です。

阪神があまり外国人選手に頼らず、どのポジションにも安定して結果を残せる選手がいたのに対して、DeNAは一部の選手に頼る状況で、その一部が不調になったり離脱した際には戦力ダウンが著しかった。

この差が、シーズン通しての安定感に影響していた可能性は否定できません。

オフの補強が示す、DeNAの方向転換

こうした課題を踏まえると、今オフのDeNAの補強は非常に示唆的です。

目立つのは、単なる主力の上積みではなく、チーム構造そのものを見直そうとする意図が感じられる点です。

補強の狙いを整理すると、以下の3点に集約されます。

  • 戦力の長所と短所の歪みを解消する

  • 戦力の伸びしろを更に上昇できる余地を生む

  • ベテランでも競わせる前提の構造を作る

これは、外国人・ベテラン中心のチームから、世代が循環するチームへの移行を意識した動きと言えるでしょう。

戦力の歪みを解消

今オフの補強で特に評価できるのは、チームの長所・短所を見極め、短所には的確に補強し、長所には補強の代わりに若手が伸びてきやすい環境づくりを行った点です。

昨季までのDeNAは、主力が好調であれば勝てる一方、誰か一人が欠けると一気に苦しくなる傾向がありました。

これは編成視点で見ると、先発には外国人投手3人を割り当て手厚く補強した一方で、リリーフの補強が手薄になり、野手はベテラン選手へ依存して競争が起きにくい状態になっていたした。

そのため先発は安定しつつも若手の伸び悩みが目立ち、リリーフは厳しい戦力になり、野手はベテラン選手の状態次第で変わりやすいチームになっていました。

そこに対してオフで的確な補強ができています。

  • 先発は外国人選手を減らして若手の起用幅を増やす

  • リリーフは逆に外国人選手をしっかり補強

  • 野手はドラフトと補強で若手もベテランも競える形に

これにより戦力の歪みがなくなり、各ポジションで実力を安定して発揮させる体制に整えることができました。

戦力の伸びしろを上昇

もう一つのポイントは、戦力の伸びしろを上げる体制にしたことです。

編成によって戦力の歪みを解消し、各ポジションで力を発揮しやすくなったことで、それぞれのベストな状態の戦力を上げることに繋がっています。

具体的には以下の通りです。

先発は石田裕や竹田などが起用幅を広げ、更にデュプランティエがシーズン通して活躍できれば、昨年よりも戦力アップに繋がります。

リリーフは補強したルイーズとレイノルズが期待通りの活躍をしてくれれば、それだけで戦力アップです。

野手は怪我がちだったオースティンの代わりにヒュンメルがシーズン通して活躍できれば外野の強化に繋がりますし、桑原が抜けたセンターの濱将乃介、伊藤光が抜けた捕手の古市尊がそれぞれ活躍することで戦力アップが望めます。

これらは期待値込みではあるものの、それだけの伸びしろを持っているため、噛み合った時の強さは昨年を大幅に上回るでしょう。

ベテランを「外す」のではなく「守る」起用設計へ

今回の補強は、ベテラン選手に敢えてぶつけるような形にもなってます。

ヒュンメルは筒香や佐野のポジションと被りますし、ルイーズ、レイノルズもベテランリリーフ陣の起用に影響してくるでしょう。

しかし、これらはベテランを排除するためのものではありません。むしろ、ベテランをシーズン通して機能させるための準備とも言えます。

競争相手がいることで、無理な固定起用を避けられる。

休ませながら使う選択肢が現実的になる。

結果として、終盤戦までパフォーマンスを維持しやすくなります。

ここは、昨季までとの明確な違いです。

それでも残る、阪神との差

一方で、阪神側も立ち止まっていたわけではありません。

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、833文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

読者限定
【DeNA】吉野リリーフ転向で覚醒の兆し──150km連発の背景にある...
読者限定
田内真翔の現在地と未来予想図〜未完成だからこそ楽しめる余地〜
サポートメンバー限定
人的補償制度は廃止すべきか──「つらい制度」が残り続ける理由
サポートメンバー限定
【DeNA】春季キャンプで見えた再設計──3つの起用変更が示す狙い
サポートメンバー限定
【DeNA】内野は群雄割拠──固定できない強み
サポートメンバー限定
セ・リーグは「投高打低」から変わるか──昨季後半の得点増とテラス導入が...
サポートメンバー限定
【DeNA】キャプテン筒香で変わる「崩れないチーム」──相川監督の狙い...
サポートメンバー限定
【DeNA】外野はレギュラー0人──新たなステージに再編へ