【DeNA】岩田将貴の価値は数字以上に大きい──評価されにくい“ビハインド左腕”が支えるブルペン
2024年オフに阪神を戦力外となり、DeNAへ加入した岩田将貴。
移籍1年目の2025年はほとんどがファームでの登板となり、ファンからは「なぜ獲得したのか」と厳しい目で見られることもありました。
しかし2026年、岩田は確かな存在感を示しています。
ここまで主にビハインドの場面で登板しながら、安定した投球を続けています。
派手なホールドやセーブがつくわけではありません。それでも、淡々とアウトを重ね、勝ちパターンの投手を休ませる役割を果たしている点に大きな価値があります。
今回は結果こそ華々しくはないものの、ここまで陰ながら非常に大きく貢献している岩田将貴について、深掘りしてみました。
評価されにくい役割を黙々とこなしている
リリーフ投手は、勝ちパターンで投げる投手ほど評価されやすいです。
同点、リード時、終盤の緊迫した場面で抑えれば、ホールドやセーブがつきます。ファンの印象にも残りやすいです。
一方で、ビハインドの場面で投げる投手はどうしても目立ちません。
抑えても試合展開が変わらなければ、評価されにくい。
そして失点すれば「敗戦処理もできない」と見られてしまう。
かなり損な役回りです。
それでも、そこで試合を壊さずに投げ切れる投手がいるからこそ、勝ちパターンの投手を無理に使わずに済みます。
岩田の価値はまさにそこにあります。
1イニングだけでなく、2イニングを任せられる。
ランナーを出しても大崩れしない。
球速で圧倒するタイプではなくても、制球とスライダーを武器に淡々と抑える。
これは長いシーズンを戦ううえで、非常にありがたい存在です。
左打者だけでなく右打者も抑えられている
岩田は左のサイドスローです。
本来であれば、左打者に強く、右打者にはやや苦しむタイプと見られやすい投手です。
実際、昨年までは「左には使えるが、右にどう対応するか」が課題でした。
しかし今季は右打者に対しても大きく崩れていません。
相川監督も「右もですけれども特に左に対してはすごく良い投球」と評価し、小杉チーフ投手コーチも一軍昇格後の内容を高く評価しています。
左打者限定ではなく、右打者にもある程度対応できる。
これができると、起用の幅は一気に広がります。
ワンポイント的な起用だけでなく、1イニングを任せることもできる。さらに展開次第では2イニングも任せられる。
今のDeNAブルペンにとって、これは大きな意味があります。
球速ではなく、痛打されにくさで勝負する投手
岩田は球速で押すタイプではありません。
球種も多いわけではなく、基本はストレート、スライダー、ツーシームの3種類です。
ただし、制球が非常に良いです。
無駄な四球で崩れることが少なく、甘く入って長打を浴びる場面も多くありません。
球威で圧倒する投手ではなくても、打者に気持ちよく振らせない投球ができています。
リリーフ投手にとって、これは大事です。
ビハインドの場面で登板する投手が四球を連発すれば、試合はさらに苦しくなります。
逆に岩田のようにテンポよくアウトを取れる投手がいると、攻撃へ流れをつなぐこともできます。
派手さはなくても、チームに必要な投手です。
もっと重要な場面での起用も見えてくる
現時点では、岩田の登板は主にビハインドの場面です。
しかし、この内容を続けていけば、起用場面は少しずつ上がっていくはずです。
まずは僅差ビハインド。
次に同点の中盤。
さらに左打者が並ぶ場面では、勝ちパターン手前の役割も見えてきます。
DeNAには左のリリーフで、岩田のようなサイドスロータイプは多くありません。
だからこそ、首脳陣としても使いやすい存在になっているのでしょう。
戦力外から加入した投手が、すぐに勝ちパターンへ入るのは難しいです。
しかし、与えられた役割を確実にこなし、少しずつ信頼を積み上げていけば、その結果に見合ったさらに上の役割を与えられるようになります。
岩田将貴は今、その段階にいます。
ホールドがつかないから価値がないわけではありません。
むしろ、ホールドがつかない場面でチームを支えているからこそ、今の岩田には大きな価値があります。
ここまでは岩田将貴が現在どのような役割を担い、なぜ評価されているのかを整理してきました。
ここからは、
首脳陣はなぜ岩田を高く評価しているのか
岩田は今後どこまで重要な役割を任される可能性があるのか
私が最も高く評価している岩田の良さはどこか
これら数字だけでは見えにくい部分を、掘り下げてみたいと思います。