【DeNA】井上絢登はなぜ1軍に定着できないのか──打撃復調の裏で残る最大の課題
独立リーグ時代に本塁打王・打点王を2年連続で獲得し、長打力を期待されて入団した井上絢登。
入団時はスラッガー候補として将来のサードのレギュラーを期待されていましたが、3年目の現在、まだ1軍定着とはなっていません。
では、なぜ1軍に定着できないのでしょうか。
現在地と今後の課題を整理してみます。
独立リーグ屈指のスラッガーとして入団
井上は2023年ドラフト6位指名でDeNAに入団しました。
四国アイランドリーグplus時代には2年連続で本塁打王と打点王の二冠を獲得しています。
長打力を最大の武器とする打者として高く評価されていました。
実際、1年目の2024年はその期待に応える結果を残します。
2軍で打率3割、OPS.800超えを記録し、プロでも十分通用する打撃能力を示しました。
将来的には宮﨑敏郎の後継者候補として期待する声も多くありました。
2年目に訪れた壁
しかし、2年目の2025年は状況が大きく変わります。
打撃成績が低下し、OPSは.600台まで落ち込みました。
長打も減少し、持ち味だった打撃で存在感を示せなくなってしまいます。
若手選手には珍しくない壁ではありますが、期待が大きかっただけに停滞感も強く感じられました。
一時は「本当に1軍戦力として育つのか」という不安の声も聞かれるようになります。
3年目で見えてきた復調の兆し
しかし今季は再び状態を上げています。
打率は3割近くまで回復し、数字だけを見ると1年目の水準に近づいてきました。
さらに注目したいのは四球と三振の内容です。
打率やOPSは年によって波がありますが、四球率や三振率は打者としての土台を表しやすい指標でもあります。
井上は年々選球眼が改善しており、無駄な三振も減っています。
単純に調子が戻っただけではなく、打者として成長している可能性が高いと言えるでしょう。
打撃面だけを見れば、1軍昇格を検討できるレベルに近づいているように見えます。
それでも1軍に上がれない理由
では、なぜ昇格できないのでしょうか。
最大の理由は守備です。
もともと井上は宮﨑の後継者候補としてサードで育成されていました。
しかし守備面の課題は深刻でした。
特に2年目にはサードだけでシーズン20失策を記録しています。
これだけ失策が多いと、1軍で継続的に起用するのは難しくなります。
結果として球団もサード育成を事実上断念し、今季はレフトでの起用が増えています。
ところが、そのレフトでも捕球ミスが見られます。
つまり現状は、「打撃は使いたいが、守れる場所がない」という状態になっています。
これが1軍昇格を阻む最大の要因でしょう。
今後の課題は「普通に守れること」
井上に求められているのは名手級の守備ではありません。
まずは最低限の守備力です。
レフトやファーストで大きなミスをしないこと。
難しい打球をアウトにする必要はありません。
取るべき打球を確実に処理できることが重要です。
現在のDeNAは打力不足が課題になっています。
そのため打撃で明確な武器を持つ選手には十分にチャンスがあります。
守備で大きなマイナスを作らなければ、1軍で出場機会を得られる可能性は高いでしょう。
サードは厳しくても1軍定着への道は残されている
宮﨑の後継者としてサードのレギュラーになる未来は、正直かなり厳しくなったと言わざるを得ません。
しかし、だからといってレギュラーへの道が閉ざされたわけではありません。
レフトやファーストで最低限の守備を身につけること。
そして現在改善が見られている選球眼を維持しながら、本来の長打力を取り戻すこと。
もし打率3割前後に加えて本塁打も増えてくれば、1軍が放っておける存在ではなくなるはずです。
井上は現在26歳です。
若手と呼べる年齢ではなくなりつつありますが、決して遅すぎる年齢でもありません。
打撃は確実に前進しています。
あとは守備という最後の壁を越えられるかどうかです。
2026年後半戦は、井上にとってプロ野球人生を左右する重要な期間になるかもしれません。
ここまでは井上絢登がなかなか1軍に定着できない理由について整理してきました。
打撃面では確実に成長が見られる一方で、守備面には依然として大きな課題が残っています。
では実際のところ、今季中の1軍定着はあるのでしょうか。
また現在のDeNAで井上とポジションを争うライバルは誰なのか。
そして今後レギュラーを掴むためには、どのような選手像を目指すべきなのでしょうか。
ここからは井上の今後について、もう少し踏み込んで考えてみます。