【DeNA】尾形崇斗が移籍後初勝利──155キロ連発の快投で見えた“先発ローテ入り”への可能性
5月31日、DeNAファンにとって大きな希望となる投球がありました。
ソフトバンクからトレードで加入した尾形崇斗が移籍後初登板初先発を果たし、5回2安打7奪三振無失点で勝利投手となったのです。
この結果に多くのファンが歓喜したのも無理はありません。
尾形は正捕手格だった山本祐大を放出して獲得した投手です。
山本はチームに欠かせない戦力であり、トレード発表時には賛否両論が巻き起こりました。
だからこそ、尾形がどのような投球を見せるのか、多くのファンが注目していました。
その初登板で見せた内容は、期待以上だったと言っていいでしょう。
155キロ超のストレートで打者を圧倒
尾形の最大の武器は何と言ってもストレートです。
この日も初回から155キロを超える速球を連発。
打者は差し込まれ、空振りやファウルを繰り返していました。
単純に球速が速いだけではありません。
打者が振っても当たらない、当たっても前に飛ばない。
まさに空振りを奪えるストレートでした。
近年のプロ野球では球速の速い先発投手は珍しくなくなってきましたが、その中でも尾形のストレートは十分に通用するレベルに見えました。
これだけの球威を持つ投手はチーム内でも貴重な存在です。
変化球も機能し先発としての形を見せる
この日の尾形はストレートだけで抑えていたわけではありません。
スライダー、スプリット、カーブを効果的に使いながら打者を打ち取っていました。
速球派投手の場合、リリーフ向きと思われることも少なくありません。
しかし尾形は複数の変化球を使いながら組み立てることができており、先発投手として必要な要素も見せていました。
特にストレートを見せた後の変化球は非常に効果的で、打者がタイミングを合わせることができていませんでした。
5回で7奪三振という数字も、その投球内容をよく表しています。
今回の登板によって、少なくとも「先発として試してみる価値がある投手」から、「先発ローテ候補」と呼べる段階まで前進したと言えるでしょう。
まだ見えた課題もある
もちろん、今回の登板だけで全てが解決したわけではありません。
まず気になるのは投球回です。今回は5回までの投球でした。
試合をしっかり作ったことは評価できますが、ローテーションを守る先発投手として考えるなら、今後は6回、7回まで投げられるようになることが求められます。
現在のDeNAはリリーフ陣が強力とはいえ、毎試合5回で降板していては負担が大きくなります。
先発として定着するためには、イニング消化能力も重要になります。
また、この日は3四死球を与えました。
速球派投手によく見られる課題ですが、球威がある反面、制球が乱れると一気に苦しくなるタイプでもあります。
今後、対戦相手の研究が進めば簡単には抑えられなくなるでしょう。
その時に四球で崩れないかどうかは重要なポイントになります。
まず目指すべきは先発ローテ3番手
今回の好投によって、尾形は先発ローテーション入りへ大きく前進しました。
ただし、1試合の結果だけでローテ定着が決まるわけではありません。
現在のDeNAで先発ローテーションが固まっていると言えるのは東克樹と石田裕太郎の2人だけです。
それ以外はシーズンを通じて固定されている投手がおらず、平良拳太郎、竹田祐、入江大生、島田舜也、篠木健太郎らがその都度チャンスを与えられている状況です。
しかし、現時点では誰も東や石田裕ほどの安定感を示せていません。
言い換えれば、DeNAの先発陣にはまだ大きな競争の余地が残されているということです。
その中で尾形が今回のような投球を継続できれば、一気に先発3番手へ浮上する可能性も十分あります。
もちろん、今後は各球団の研究も進みますし、今回のような好投を毎回続けることは簡単ではありません。
それでも155キロを超えるストレートと三振を奪える能力は、他の先発候補にはない大きな武器です。
まずはローテ争いを勝ち抜き、東、石田に続く先発3番手として定着できるか。
それが尾形にとって次の大きな目標になるでしょう。
ここまでは尾形崇斗の初登板を振り返ってきました。
では、DeNAはなぜ山本祐大という正捕手格の選手を放出してまで尾形を獲得したのでしょうか。
以降のパートでは、
球団が尾形に期待している本当の役割
将来的な「右のエース」構想
尾形がローテ投手ではなくエースになるための課題
数年後のDeNA先発陣の未来予想
について、編成面も含めて深掘りしていきます。