「干している」は本当なのか──度会隆輝への首脳陣コメントから見える起用の考え方
最近のDeNAでは、度会隆輝選手の起用法について議論になることが増えています。
スタメンから外れる試合が続くたびに、
「相川監督は度会を干している」
「結果を出しているのになぜ使わないのか」
「飼い殺しにしている」
「このままトレードに出されるのではないか」
といった意見も見かけます。
もちろん、期待している選手だからこそ、試合に出てほしいと思う気持ちはよく分かります。
私自身も、度会選手には将来の主力として大きな期待を寄せています。
しかし最近、首脳陣が度会選手について語ったコメントを見ると、「評価していないから使わない」という単純な話ではないように感じました。
そこには、首脳陣が度会選手をどのような選手に育てたいのか、その考え方が表れているように思います。
以下の産経新聞の記事をもとに、内容を引用しながら度会選手に対する首脳陣の評価をまとめていきます。
「打撃は天才」という揺るがない評価
まず記事内で印象的だったのは、打撃に対しての首脳陣の評価です。
「打撃は天才なんですよ」。度会を指導するコーチはみな、そう口をそろえる。
これは最大級の賛辞と言っていいぐらい、非常に重い言葉です。
もし首脳陣が度会選手を戦力として考えていなければ、このような表現にはならないでしょう。
一方で、靍岡コーチはその続きとして、以下のコメントを残しています。
「状態がいい時はいいが、問題は調子が落ちてきたとき。コンタクトが巧い分、当てに行くような窮屈なバッティングになって凡打が増えてしまう。だから調子が落ちた時は、思い切って外すという選択肢を持っています」
ここで重要なのは、「外す理由」が能力不足ではないことです。
これは6月に度会選手が打撃の調子を落としてきたことについての言及でしょう。
調子の波を修正し、再び本来の打撃を取り戻してもらうための起用法として説明されています。
つまり、評価が低いから外すのではなく、長いシーズンを見据えたマネジメントという考え方なのでしょう。
ファンの中には「調子を落としてても、結果を出してるんだから起用して」という意見もあります。
しかし、悪い状態のまま起用し続けると、打撃にその癖が残り続け、ますます正しい状態から離れていってしまいます。
つまり本来なら打率3割以上打てる打者なのに、他の選手より打ててるからと2割6分でも良しとすることになって、それが定着してしまうことを首脳陣は避けたいのではないでしょうか。
チーム事情などを踏まえて「今だけ」を見るなら試合に出すのは良いのかもしれませんが、今後レギュラーとして定着していく選手を目指すなら、むしろ思い切って外して調子を取り戻させる方が良いでしょう。
レギュラー争いは打撃だけでは決まらない
打撃だけを見れば、度会選手をもっと使ってほしいと思う人は少なくありません。
しかし首脳陣は、打撃だけでスタメンを決めているわけではありません。
守備、走塁、状況判断、そして現在のチーム状態。
それらを総合的に判断しています。
実際、現在の外野にはエンカーナシオンが好調を維持し、勝又温史も結果を残しています。
つまり「度会だから外されている」というより「競争相手も非常に良い状態にある」ということです。
優勝争いをしているチームでは、こうした競争は決して珍しいものではありません。
一人の選手だけを特別扱いするのではなく、その時点で最も勝利に近いメンバーを選ぶ。
これが首脳陣の考えなのでしょう。
では、首脳陣はなぜ三塁挑戦までさせているのか。
そこには、度会選手を将来の主力として育てたいという、さらに踏み込んだ意図が見えてきます。
ここからは首脳陣の意図の考察や、同じサードでレギュラーに定着した宮﨑選手との対比をまとめていきます。
