優勝を目指すのか、来季を見据えるのか──DeNA後半戦で問われる「勝利と育成」の両立

後半戦に入り、「勝利を優先すべきか、それとも若手を育てるべきか」という議論が増えてきました。私はこの二つは対立するものではないと考えています。DeNAが今、本当に目指すべき選手起用について考えてみました。
ハマノンタン 2026.08.04
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順位争いに残っている以上、育成への切り替えは必要ない

シーズン後半になると、ファンの間では、

「来季を考えて若手を使うべきだ」

「同じ負けるなら若手を使ってほしい」

という意見が増えていきます。

もちろん、優勝争いやAクラス争いから完全に脱落したのであれば、来季へ向けた選手起用を増やす判断も必要でしょう。

しかし現在のDeNAは、その段階ではありません。

7月31日に自力優勝は消滅しましたが、リーグ優勝の可能性はまだ残っています。

さらに、Aクラス入り、クライマックスシリーズ進出も十分に狙える位置にいます。

ここで目の前の勝利よりも来季を優先する理由はありません。

そもそも一軍は、将来性だけを評価する場所ではなく、現在の戦力で勝利を目指す場所です。

起用するべきなのは、その試合で最も勝利に貢献できると判断した選手です。

それが若手の場合もあれば、ベテランや外国人選手の場合もあります。

年齢ではなく、現在の実力や状態によって判断する。

それが順位争いを戦うチームの基本になるはずです。

不調の若手を使い続けても育成にはならない

「若手を育てるには、一軍で使い続けなければならない」と考えられることがあります。

確かに、一軍投手の球威や変化球、満員の球場での緊張感など、一軍でしか得られない経験はあります。

しかし、若手であれば、どのような状態でも使い続ければ育つわけではありません。

明らかに状態を落としている選手や、一軍で対応できない課題を抱えている選手を無理に起用しても、結果が出ない状態を繰り返すだけになる可能性があります。

一軍で自信を失うよりも、二軍で多くの打席や守備機会を得ながら、課題を修正した方がよい場合もあります。

また短期的な不調なら、スタメンから外して代打や守備固めなど役割を絞って試合に出し続けることで調整させるのも手です。

一軍で勝利に貢献できる状態なら起用する。役割を絞って起用する。一軍で明確な課題が見えたのであれば、二軍で修正する。

若手を使うこと自体を目的にせず、現在の成長段階に合った場所を与えることが、本当の意味での育成だと思います。

ベテランも実績だけで起用するべきではない

若手を将来性だけで特別扱いするべきではないのと同じように、ベテランも過去の実績だけで起用され続けるべきではありません。

順位争いが激しくなるほど、ベテランの経験が必要になる場面は増えていきます。

ただし、年齢による成績低下や長期間の不調が見られるのであれば、起用方法を見直す必要があります。

状態の良い若手がいるにもかかわらず、実績だけを理由にベテランを使い続ければ、チーム内の競争は失われます。

もちろん、数試合結果が出なかっただけで主力を外すべきだという話ではありません。実績のある選手には復調を待つ価値があります。

それでも、長期間状態が上がらず、守備や走塁を含めた貢献も低下し、代わりの選手が結果を残しているのであれば、スタメンを外したり、代打へ役割を変えたりする判断も必要です。

若手だから使うのでも、ベテランだから信じ続けるのでもなく、現在の実力で評価するべきです。

外国人選手を使うことも勝利と育成の両立になる

外国人選手を積極的に起用すると、「日本人の若手を育てるべきだ」という意見が出ることがあります。

しかし、外国人選手の起用と日本人選手の育成は、対立するものではありません。

特に夏場は、気温と湿度が高く、選手の疲労が蓄積しやすくなります。日本人選手だけでやり繰りすれば、主力に負担が集中してしまいます。

外国人野手を起用すれば、日本人選手の休養日を作れます。外国人投手がローテーションを担えば、若手投手の登板間隔を空けることもできます。

外国人選手を使うことは、若手の機会を奪うことではありません。

戦力を幅広く使い、疲労を分散させることは、シーズン最後まで勝利を目指すために必要です。若手を無理に使い続けて消耗させないという点では、育成にもつながります。

勝又・度会・松尾も実力で評価する

勝又温史、度会隆輝、松尾汐恩は、今後のDeNAを支える主力候補として期待されています。

だからこそ、後半戦でも積極的に経験を積ませたい選手です。

ただし、彼らも「若手だから」という理由だけで起用するべきではありません。

勝又が現在の実力でほかの外野手を上回っているなら、実績に関係なくスタメンで使う。一方で、結果が出なくなれば、ほかの選手と競争させる必要があります。

度会も打撃だけでなく、守備や走塁、相手投手との相性を含めて評価されます。毎試合スタメンでないからといって、評価されていないとは限りません。

松尾は捕手という特殊なポジションであり、投手との組み合わせも考える必要があります。それでも主力捕手を目指すのであれば、重要な試合や接戦を任せる経験は必要です。

期待しているから無条件で使うのではありません。

期待しているからこそ、一人の戦力として厳しく評価し、競争の中で主力の座をつかんでもらいたいと思います。

ここまで述べてきたように、後半戦のDeNAに必要なのは、若手を優先することでも、実績のある選手を信じ続けることでもありません。

年齢や立場に関係なく、現在の実力で選手を評価し、最も勝利に近い選択を続けることです。

では、二軍で結果を残した若手を一軍へ昇格させた場合、どのように起用し、どの段階で見極めるべきなのでしょうか。

また、限られた一軍登録枠を有効に使うために、控え選手にはどのような役割が必要なのでしょうか。

ここからは、後半戦における一軍と二軍の選手運用、若手の見極め方、そして私が考える理想的な起用方針について、さらに具体的に考えていきます。

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