シーズン途中補強はなぜ難しいのか──ビド炎上から考える外国人投手の現実
オスバルド・ビドが、8月6日の試合で2回8失点と苦しい結果に終わりました。
ビドの投球には問題がありましたが、シーズン途中に加入した先発外国人投手には、オフシーズン加入とは全く異なる難しさがあります。
今回はビドの登板をきっかけに、その背景について考えてみます。
8月6日の試合で、DeNAのオスバルド・ビドが2回8失点と大きく崩れました。
ストライク先行で勝負できず、走者を背負ってからはコントロールも乱れ、クイックにも課題を見せたことで相手に積極的に盗塁を仕掛けられるなど、苦しい内容となりました。
試合後、相川監督は厳しい口調で2軍での再調整を明言しており、今後は課題の修正に取り組むことになりそうです。
もちろん、この試合に限ればビド自身の投球内容が良くなかったことは事実でしょう。
しかし一方で、シーズン途中に加入した外国人先発投手には、オフシーズン加入の選手とは比較にならないほど難しい環境が待っています。
シーズン途中加入だからこその難しさ
ビドは6月にDeNAへ加入し、ファームで調整を続けた後、7月25日に一軍初登板を果たしました。
その初登板では5回無失点と上々のスタートを切りましたが、2試合目で大きく崩れる結果となりました。
ただ、シーズン途中加入の選手は、調整期間そのものが限られています。
オフに獲得された外国人選手であれば、春季キャンプから約2か月かけて日本の環境に慣れ、実戦を重ねながら開幕を迎えることができます。
しかし途中加入の場合は、その時間がありません。
球団としても一日でも早く戦力になってほしいという事情があり、十分な準備期間を確保できないまま一軍での登板を迎えるケースも少なくありません。
先発投手は特に適応が難しい
特に先発投手は、野手やリリーフ投手以上に調整が難しいポジションです。
まず、日本では基本的に中6日でローテーションを回ります。
MLBとは登板間隔や調整方法が異なるため、新しいリズムを作るだけでも時間が必要です。
さらに、日本では長いイニングを投げ切る能力も求められます。
球数の使い方や配球、打者との駆け引きなど、慣れなければならない要素は決して少なくありません。
そして今回のビドのように、クイックや盗塁対策など、日本野球特有の課題へ対応する必要もあります。
これらを短期間で身につけることは簡単ではありません。
一度の失敗を取り返す時間も少ない
途中加入の難しさは、調整期間だけではありません。
失敗を取り返す時間も限られています。
例えば開幕から在籍している外国人投手であれば、炎上したとしても二軍で1か月ほど調整し、再昇格して結果を残すことで評価を覆すことができます。
しかしビドのように8月に再調整となれば、再昇格は9月中旬以降になる可能性もあります。
そこから先発として登板できる試合数は、多くても2〜3試合程度でしょう。
つまり、一度の失敗がシーズン全体の評価に大きく影響しやすい立場なのです。
例えば24年〜25年、DeNAに在籍していたアンドレ・ジャクソンは2年間しっかりローテを守り活躍しましたが、1年目の5月頃まではかなり不安定でした。
開幕から2ヶ月経った6月から安定してきて本格的にローテで活躍し始めたことを考えると、そのぐらいの調整期間が必要なのかもしれません。
それに比べるとシーズン途中加入の先発投手はあまりに調整期間が短く、良い投手であっても結果を残せないということは普通にあり得ます。
ここまでは、シーズン途中加入の外国人先発投手が置かれる難しい環境について整理してきました。
では、なぜDeNAはあえてこのタイミングでビドを獲得したのでしょうか。そして現在のチーム状況は獲得当時とどう変化し、球団は来季残留をどのような視点で判断していくのでしょうか。
ここからは、その編成面まで掘り下げて考えていきます。