若松尚輝はなぜ打たれなくなったのか──8試合連続自責点0、CSでも期待したい“第2の勝ちパターン”

8月30日以降、8試合連続で自責点0を続ける若松尚輝。被安打の少なさに加え、最近は三振も増え、接戦でも任せられる存在へと変わりつつあります。なぜ若松は打たれなくなったのか。そしてCSではどんな役割を担うのか。直近の投球内容から、その成長を読み解きます。
ハマノンタン 2026.09.22
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シーズン終盤、DeNAのブルペンで存在感を急速に高めている投手がいます。

若松尚輝です。

8月30日の中日戦から9月21日の阪神戦まで、8試合に登板して自責点はゼロ。しかも最近は単に無失点で抑えているだけではありません。

もともとの「ヒットを打たれにくい」という強みに加え、三振を奪える場面も増えてきました。

そして9月21日には、2-2の同点という重要な場面で阪神打線を相手に1回無安打2奪三振。いよいよビハインド要員ではなく、接戦でも計算できるリリーフへと役割が変わりつつあります。

CSを見据えたとき、この若松の成長はDeNAにとってかなり大きな意味を持つのではないでしょうか。

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8試合連続自責点0

まず、直近の数字を確認してみます。

8月30日から9月21日までの8登板を合計すると、

6回1/3、被安打3、奪三振8、与四球2、自責点0。

被安打はわずか3本です。

8月30日の中日戦でも、若松は5回途中から登板して打者1人を三振に仕留めています。

9月に入ってからも安定感は続き、9月19日までの時点で月間5回を投げ、被安打3、奪三振5、与四球2、自責点0、被打率.167。そこへ21日の1回無安打2奪三振が加わりました。

短期間の数字なので当然これがずっと続くとは限りません。

それでも、「たまたま失点していない」というだけではなく、そもそもヒットをほとんど許していないという部分には注目したいところです。

今季はそもそも「打たれにくい」

若松の今季を見ても、この傾向は直近だけのものではありません。

9月20日終了時点では23試合、35回を投げて被安打27、防御率2.57、被打率.213。

35イニングを投げて被安打が投球回を大きく下回っています。

昨季はプロ1年目で7試合に登板し、8回で14安打を許し、防御率7.88、被打率.424でした。

もちろん登板数の違いもありますし、単純に昨季と今季を比較するだけでは説明できません。

ただ、少なくとも結果として表れている最大の変化は明確です。

「打者に簡単にヒットを許さなくなった」こと。

これが今季の若松の安定感を支える大きな要素になっています。

四球という課題を「被安打の少なさ」で補える

一方で、若松にはまだ課題もあります。

9月20日までの35回で与四球は15。

決して四球が極端に少ない投手ではありません。

リリーフ投手の場合、四球から一気にピンチを広げてしまう危険があります。

それでも若松が大崩れしにくくなっているのは、その後にヒットを続けて許さないからでしょう。

四球を一つ出したとしても、

四球→安打→安打

と連打されれば失点につながります。

しかし、

四球→凡打→凡打

であれば走者を出しても失点にはなりません。

もちろん四球自体は減らしていきたいところですが、すべての投手が抜群の制球力を持っている必要はありません。

若松の場合は、多少走者を出しても、打者を打ち取る能力によってカバーするという形が少しずつ確立されてきたように見えます。

そこへ加わってきた「三振」

さらに最近の若松でもう一つ注目したいのが、奪三振です。

8月30日以降の8試合では6回1/3で8奪三振。

まだ少ないとはいえイニング数を上回る三振数になっています。

被安打を抑えることはリリーフにとって大きな武器ですが、打球が前に飛べば守備や当たりどころの影響も受けます。

しかし三振なら、そうした要素を排除してアウトを一つ取れます。

特に得点圏に走者を背負った場面では、

「外野フライでも1点」

「内野ゴロでも走者が進む」

という状況があります。

そこで三振を取れるかどうかは大きい。

「打たれない若松」に「三振を取れる若松」が加わってきた。

これが最近の安定感をさらに高めているポイントではないでしょうか。

9月21日の起用に見えた首脳陣の信頼

そして数字以上に注目したいのが、起用法です。

9月21日の阪神戦。

平良拳太郎が5回を投げ、試合は2-2。

DeNAは6回から若松を投入しました。

これはかなり意味のある起用だったと思います。

シーズン序盤であれば、若松はロングリリーフやビハインドなど、比較的プレッシャーの小さい場面を任されるケースが中心でした。

しかしこの日は同点。

1点でも取られれば試合の流れが阪神へ傾きかねない状況です。

そこを1回無安打、2奪三振、無四球で切り抜けました。

その後は伊勢大夢、浜地真澄、レイノルズへとつないでいます。

つまりこの日の若松は、勝ちパターンへつなぐ最初のリリーフとして起用されたことになります。

首脳陣の中でも、「若手だから経験を積ませる投手」ではなく、「接戦を任せられる投手」という評価へ変わりつつあるのではないでしょうか。

8試合連続自責点0を続け、ついには同点の重要な場面まで任されるようになった若松尚輝。

では、この成長はCSでどんな意味を持つのでしょうか。

短期決戦では、いつもの勝ちパターンだけで全試合を乗り切ることはできません。若松が加わることで、DeNAの継投にはどんな選択肢が生まれるのか。ここからは、CSで期待したい「第2の勝ちパターン」としての可能性を考えていきます。

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