DeNA生え抜き最多登板、中川虎大はもう勝ちパターンの一角──その先に見える守護神への道
今季のDeNAリリーフ陣を振り返ったとき、中川虎大の存在は外せません。
自己最多となる登板数を大きく更新し、防御率も2点台で推移。高い奪三振能力を見せながら、現在では7回、8回といった試合終盤の重要な場面を任されるまでになりました。
そして、今季の中川を象徴する数字がもう一つあります。
チームの生え抜き投手では最多となる登板数です。
今季のDeNAブルペンでは、新外国人のレイノルズをはじめ、浜地真澄、岩田将貴など新たに加わった投手たちが結果を残しています。
その一方で、もともとDeNAで育ってきた中川が誰よりも多くマウンドに立ち、勝ちパターンまで任されるようになった。
これも今季のブルペン改善を考えるうえで、見逃せない変化ではないでしょうか。
中川虎大はもう、単なる「リリーフの一枚」ではありません。
DeNAの勝ちパターンを支える、生え抜きブルペン陣の中心的存在になりつつあります。
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ストレートとフォーク、シンプルだからこそ強い
中川の投球は非常に分かりやすいものです。
軸となるのはストレートとフォーク。
カーブ系のボールを交えることもありますが、基本的にはこの2球種を中心に打者と勝負します。
ストレートは平均150キロ前後。
リリーフとして十分な球威があり、簡単には捉えられません。これだけでも打ち取る力を持っています。
そして、そのストレートと組み合わせる最大の武器がフォークです。
鋭く落ちるフォークで空振りを奪えるため、追い込んでから打者を仕留めるボールがあります。
決して球種が多い投手ではありません。
それでも一軍の打者を相手に高い奪三振率を残しているということは、それだけ一つ一つのボールの質が高いということでもあります。
「ストレートかフォークか」。
ある程度狙いを絞られたとしても、それでも簡単には打たれない。
今季の中川が安定してアウトを積み重ねられている理由の一つでしょう。
「登板できる投手」から「任せられる投手」へ
中川は今季突然一軍に現れた投手ではありません。
これまでもリリーフとして一軍で登板してきました。
ただ、今季はそこから明確に一段階上へ進んでいます。
以前であれば、ビハインドや大量リードなどを含め、さまざまな場面で起用されることも多い投手でした。
それが今季は、接戦でリードしている7回や8回に送り出されるケースが増えています。
1点を失うことが、そのまま勝敗に直結しかねない場面です。
相手も代打を送り込み、上位打線が巡ってくる。
そこで登板を任されるには、首脳陣からの信頼が必要です。
そして中川は、そうした重要な場面で投げながら、生え抜き投手ではチーム最多となる登板数を積み重ねています。
これは単純な「登板数の多さ」だけで片付けられるものではありません。
長いシーズンを通して一軍ブルペンに必要とされ続け、なおかつ重要な場面を任され続けている。
そこに今季の中川の価値があります。
「一軍で登板できる投手」から、「勝っている試合を任せられる投手」へ。
今季最大の飛躍は、成績そのもの以上に、この立場の変化なのかもしれません。
新戦力だけではない、ブルペン改善
今季のDeNAは、昨季と比較してリリーフ陣の選択肢が増えました。
レイノルズが試合終盤の重要な役割を担い、浜地、岩田らも一軍で結果を残しています。
こうした新戦力の存在が大きかったことは間違いありません。
ただ、ブルペンを強くする方法は補強だけではありません。
もともとチームにいた投手が成長し、より大きな役割を担えるようになる。
それもまた、大きな戦力アップです。
その象徴が中川でしょう。
新たに加入した投手が戦力になっただけでなく、生え抜きの中川が自己最多登板を大幅に更新し、勝ちパターンまで任されるようになった。
そしてシーズン終盤まで、生え抜き投手で最も多くマウンドに立っています。
補強と内部成長。
その両方が同時に進んだことが、今季のDeNAブルペンに厚みをもたらした一因と言えます。
ここまで今季の中川虎大が、なぜDeNAの勝ちパターンを任されるまでになったのかを見てきました。
自己最多を大きく更新し、さらに生え抜き投手ではチーム最多登板。今季のブルペンを語るうえで、もはや欠かせない存在になっています。
では、この飛躍をどこまで伸ばせるでしょうか。
ここからは、今季残りで期待したい「50試合登板」という節目、そして現在の投球スタイルから見えてくる来季の守護神候補としての可能性について考えていきます。