勝又温史、再昇格への条件は打率だけではない──23試合連続安打の先に求めたい「次の武器」
ファームに降格してから、勝又温史が再び結果を残し始めています。
9月15日のハヤテ戦では4打数3安打3打点。さらに17日の同カードでは、ファーム降格後初本塁打を含む4打数2安打1打点を記録しました。直近2試合だけを見れば8打数5安打。バットから再び快音が聞かれるようになっています。
一軍では今季、23試合連続安打という大きな記録を残した勝又。
これだけ打てる選手なのだから、ファームで安打を重ねれば、すぐにでも一軍へ戻してほしいと思う人もいるでしょう。
ただ、今回のファーム調整については、単純に「また打てるようになったか」だけを見るのでは少しもったいないように思います。
今季一軍で100試合に出場したことで、勝又には明確な武器が見えた一方、今後レギュラーとして長く戦っていくための課題も見えてきたからです。
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23試合連続安打で証明した非凡なバットコントロール
まず大前提として、勝又が今季一軍で残した成績は十分に評価されるべきでしょう。
4月に一軍へ昇格すると、その後は打線の中で存在感を高め、6月からは23試合連続安打を記録。33試合連続出塁もマークしました。
投手から野手へ転向してからここまでキャリアを積み上げてきた選手が、一軍でここまで継続して安打を重ねた。
これは勝又の持つバットコントロールが、一軍レベルでも十分通用することを証明したシーズンだったと言っていいでしょう。
実際、9月10日の登録抹消時点でも、
100試合 打率.285 4本塁打 33打点 出塁率.318 長打率.356 OPS.674
という成績を残しています。
ほぼ一軍経験のなかった選手が、いきなり100試合に出場して打率.285。
ここだけを切り取れば、十分すぎるほどの結果です。
一方で、その数字をもう少し細かく見ていくと、勝又が次に取り組むべき課題も浮かび上がってきます。
「安打を打つ」ことへの依存度が高かった
今季の勝又は326打数で93安打を記録しています。
しかし、その内訳を見ると二塁打は11本、本塁打は4本。三塁打はありません。
さらに345打席に立って四球は11個にとどまっています。
つまり勝又の打撃は、かなりの部分を「ヒットを打つこと」そのものに依存していたことになります。
もちろん、安打を打てること自体は大きな武器です。
ただ、毎日のように試合へ出場するレギュラーを目指すのであれば、常に好調を維持できるわけではありません。
どんな打者にも、バットが思うように出てこない時期があります。
そこで重要になるのが、安打が出ない時でも四球で出塁したり、一振りの長打で得点に貢献したりすることです。
勝又の場合、好調時には高いバットコントロールを生かして次々と安打を積み重ねることができました。
一方で、その安打が止まった時に、それを補う方法がまだ十分には確立されていなかったように見えます。
後半戦に訪れた大きな壁
実際、23試合連続安打を記録した後、勝又の状態は徐々に落ちていきました。
9月10日に一軍登録を抹消された時点では、後半戦61打数9安打。打率にすると.148まで低下していました。
前半戦にはこれだけ簡単に安打を重ねていた打者が、突然打てなくなる。
長いシーズンを戦えば、こうした時期が来ること自体は決して珍しくありません。
重要なのは、その時にどう対応するかです。
安打が出なくてもボール球を見極めて四球を選ぶ。
甘い球を確実に仕留めて長打にする。
あるいは簡単に三振せず、相手投手に球数を投げさせる。
こうした「安打以外の逃げ道」が増えれば、調子を落とした際にも打撃成績の落ち込みを小さくすることができます。
逆にヒットを打つことだけが最大の得点源になっていると、そのヒットが止まった瞬間に一気に苦しくなります。
今季の勝又が経験した後半戦の不振は、まさにそうした次の課題に向き合うための材料になったのではないでしょうか。
では、勝又が再び一軍へ戻るために、ファームでどんな部分を見ていけばいいのでしょうか。
単に「何本ヒットを打ったか」だけではなく、長打、四球、そして三振。今季一軍で見えた課題を踏まえると、注目したいポイントはもう少し別のところにあります。
ここからは、直近のファームでの打撃も見ながら、勝又に求めたい「次の武器」を考えていきます。