最大借金15を完済したDeNA──6月のどん底から勝率5割へ、7月以降の大逆襲
ついに、借金がなくなりました。
9月14日の巨人戦。DeNAは延長12回の末にサヨナラ勝ちを収め、勝率5割に復帰しました。
今季、一時は最大15まで膨らんだ借金。
6月には大きく負け越し、勝率5割どころか、今季中にどこまで借金を減らせるのかと思えるほど苦しい時期もありました。
それでもDeNAは、7月以降に怒とうの追い上げを見せます。
そして9月14日。
最大15あった借金を、ついにすべて返しました。
これは単なる「5割復帰」ではありません。
6月のどん底からチームがどのように立て直し、再び勝てる状態を作っていったのか。
今季のDeNAを象徴する、大きな節目だったのではないでしょうか。
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6月に最大借金15──どん底まで落ちたDeNA
今季のDeNAを振り返るうえで、避けて通れないのが6月です。
6月はわずか4勝15敗。
交流戦を含めて大きく負け越し、一時は借金15まで膨らみました。
借金15という数字は簡単に取り返せるものではありません。
仮に10勝5敗というかなり良いペースで戦っても、5つしか減りません。
それを3回繰り返して、ようやく五分です。
そう考えれば、ここからシーズン中に勝率5割まで戻ってきたこと自体が、いかに大きな巻き返しだったのかが分かります。
ただ、DeNAは一気に借金を返したわけではありません。
7月から少しずつチームを立て直し、一つずつ借金を減らしていきました。
東を中心に、先発ローテーションが崩れなかった
まず大きかったのが、先発投手陣です。
東克樹はエースとしてシーズンを通して結果を残し続けました。
その東を軸に、新加入の尾形崇斗がローテーションに定着。
さらに平良拳太郎、篠木健太郎、深沢鳳介、片山皓心らも昇降格を繰り返しながら先発機会を与えられ、誰かが離脱してもローテーション全体が大きく崩れることなく戦ってきました。
そして8月後半からは石田裕太郎と竹田祐も一軍に戻ってきます。
若い投手たちを使いながら耐えてきたところに戦力が戻り、先発陣はさらに安定しました。
開幕時点で想定していたローテーションをそのまま一年間回せたわけではありません。
むしろ入れ替えを繰り返しながら、その時点で状態の良い投手を使い続けてきた。
それでも先発陣が崩壊しなかったことが、7月以降の安定した戦いを支えた大きな要因だったでしょう。
守護神交代から立て直したリリーフ陣
リリーフ陣も、シーズン途中で大きく形が変わりました。
6月までは山﨑康晃が守護神を務めていましたが、不調によって一軍を離れることになります。
そこでDeNAはレイノルズを新たな守護神に据え、ブルペンの再構築を進めました。
ここで大きかったのが、新たな戦力の台頭です。
育成から支配下登録された浜地真澄、岩田将貴が一軍で結果を残し、生え抜きでは伊勢大夢と中川虎大がブルペンを支えました。
特に中川は登板数を重ね、今季のリリーフ陣を象徴する存在の一人となっています。
さらにDeNAは、一軍のメンバーを固定し続けるのではなく、ファームで状態の良い投手を積極的に昇格させてきました。
調子を落とせば入れ替える。
ファームで結果を残せばチャンスを与える。
そうしてブルペン全体の競争を保ちながら、その時々で状態の良い投手を使ってきました。
絶対的な数人だけに依存するのではなく、多くの投手を入れ替えながらリリーフの質を維持できたことも、長期間勝ち越しを続けられた理由の一つでしょう。
エンカーナシオン加入で一気につながった打線
そして野手では、何と言ってもエンカーナシオンの存在が大きかったでしょう。
7月に一軍登録されると、その打力を存分に発揮。
それまでどこかピースの足りなかった打線に、最後の一枚がはまったかのように得点力が上がりました。
もちろん、一人だけで打線が変わったわけではありません。
牧秀悟、筒香嘉智、宮﨑敏郎、佐野恵太ら、これまでもDeNA打線を支えてきた主力が結果を残しました。
そこに度会隆輝、勝又温史、松尾汐恩、宮下朝陽ら若い選手たちの活躍も加わります。
さらに大きかったのは、スタメンだけではありません。
守備固め、代走、代打。
控えに回った選手たちにもそれぞれ役割があり、自分に求められている仕事を果たそうとする姿勢がはっきりしていました。
誰か一人の爆発だけで勝つのではなく、主力、新戦力、若手、控えまで含めて打線を作っていった。
それが7月以降の得点力向上につながったのではないでしょうか。
一つの補強、一人の覚醒だけではない
こうして振り返ると、7月以降のDeNAが強くなった理由を一つだけ挙げることは難しいです。
東克樹がエースとして投げ続けました。
尾形崇斗が新たにローテーションへ加わりました。
若い先発投手たちが入れ替わりながら穴を埋めました。
レイノルズが守護神を務め、浜地真澄や岩田将貴が新戦力として台頭しました。
伊勢大夢、中川虎大もブルペンを支えました。
そして打線にはエンカーナシオンが加わり、既存の主力と若手が噛み合いました。
つまり、何か一つの劇的な出来事によってチームが変わったわけではありません。
先発、リリーフ、打線。
それぞれで少しずつ戦力が整い、チーム全体として勝てる形を作っていった。
だからこそ、一時的な連勝では終わらず、7月、8月、9月と長期間にわたって勝ち続けることができたのでしょう。
最大15あった借金を返せた理由を振り返ると、7月以降のDeNAがいかにチーム全体で立て直してきたのかが分かります。
では、この大逆襲をどう評価すべきなのでしょうか。
「6月さえなければ優勝争いできていた」と考えるのか。それとも、あれだけ苦しい時期を経験しながら、ここまで戻ってきたこと自体に価値があるのか。
ここからは今季のDeNAをシーズン全体から振り返りつつ、残り14試合で見えてきた「その先」について考えていきます。