【DeNA】なぜ本塁打が消えたのか──12球団最少に陥った理由と編成の次の一手

「打ち勝つチーム」の象徴だったDeNAが、まさかの12球団最少本塁打数に苦しんでいます。単なる不振なのか、それとも編成の流れによる必然なのか──長打力不足の背景と今後の一手を整理します。
ハマノンタン 2026.05.25
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「DeNAといえば打ち勝つチーム」

長年そんなイメージがDeNAにはありました。

本拠地の横浜スタジアムは本塁打が出やすい球場として知られ、打線にも数多くのスラッガーが並んできました。

しかし今季は状況が大きく変わっています。

5月23日時点でDeNAの本塁打数は、12球団最少。

なぜ“本塁打のチーム”がここまで長打力不足に陥ったのでしょうか。

その背景を整理すると、単なる不振ではなく、ここ数年の編成の流れも見えてきます。

「本塁打のチーム」に起きた異変

DeNAといえば長く「本塁打で勝つチーム」というイメージがありました。

打線には常に長打を期待できる選手がいました。2025年もDeNAで2桁本塁打を放った選手は4人で、セ・リーグでは最多の人数です。

  • 牧秀悟

  • タイラー・オースティン

  • 筒香嘉智

  • 佐野恵太

さらに横浜スタジアムという本拠地の特性もあり、打線のどこからでも一発が出る可能性がある、という怖さを持った打線が形成されていました。

しかし今季は5月23日時点で12球団最少の本塁打数となっています。

単なる打線不振だけでは説明しにくい状況です。

本塁打不足になった理由

まず最も大きいのは主力の変化です。

牧秀悟の故障離脱は非常に大きな影響を与えています。近年のDeNAで最も安定して本塁打を積み上げていた打者であり、打線の中心でした。

さらに昨年まで在籍したタイラー・オースティンが退団し、代わりにクーパー・ヒュンメルが加入しましたが、ヒュンメルはオースティンほど本塁打を打てるタイプではありません。

そして避けて通れないのが主力打者の年齢面です。

佐野恵太、筒香嘉智、宮﨑敏郎は今でも高い技術を持っていますが、全盛期のような長打量産ペースを期待するのは簡単ではありません。

そしてもう1つ見逃せないのが、控え層や2軍の長打力です。

シーズン途中にはダヤン・ビシエドの任意引退も決まりました。ビシエドは右の代打として「ベンチから一発で流れを変える可能性」を持つ打者でしたが、そういう打者が1枚減ったことは事実です。

また2軍のチーム打撃成績を見ても、本塁打数は14球団最少になっていて、若手選手の中でもなかなか本塁打を量産できる打者が出てきていません。

つまり現在のDeNAは「主力打者」と「控え」、そして「未来の主軸候補」が全て薄くなっている状態と言えるでしょう。

次世代打線は好打者型が中心

一方で若手が育っていないわけではありません。

むしろ次世代の中心候補は着実に出てきています。

度会隆輝、勝又温史、松尾汐恩などは今季1軍でも結果を残していて、非常に期待できる打者たちです。

ただし彼らには特徴があります。

彼らはいずれも「長距離砲」というより、「高打率や出塁率で勝負するタイプ」です。

もちろん好打者は非常に重要です。

打線の繋がりを作る役割として大きな価値があります。

しかし本塁打で1人で点を奪う役割とは少し違います。

打線を繋ぐ選手は増えてきた一方で、一発で試合を動かせるタイプが減ってきているとも言えます。

これは編成失敗なのか

ここまでの話だと、本塁打を打てる打者を補強・育成してこなかった編成ミスと結論付ける方もいると思いますが、その判断は少し早いと思います。

ここ数年のDeNAには明確な課題がありました。

特にショートを中心としたセンターラインの問題と、打線全体のアベレージ不足です。

その状況を考えれば、ドラフトでセンターラインやアベレージヒッターを優先するのは自然な判断でした。

実際、近年の上位指名もそうした傾向がありました。

昨年は小田康一郎を獲得しましたが、それ以前に上位で長距離砲タイプを獲得した代表例は2020年の牧秀悟まで遡ります。

つまり約4年間、上位では長打力よりも別の課題解決を優先してきた形です。

その結果として現在の長打不足が起きているなら、ある意味では「想定内の副作用」とも言えるかもしれません。

編成の動きは素早い

重要なのは「誰が悪かったか」ではありません。

これからどうするかです。

そして球団はすでに動きを見せています。

5月23日には各社報道で、DeNAが ヘラル・エンカーナシオン の獲得調査を進めていることが報じられました。

エンカーナシオンは長距離砲タイプであり、日本球界に適応できれば本塁打量産も期待できます。

今シーズンを立て直すための動きとして見れば、かなり素早い対応と言えるでしょう。

そしておそらくこの補強だけでは終わらないはずです。

当初は先発投手強化がドラフト最優先と考えられていました。

しかし現在は、それと同じくらいスラッガータイプの重要性も高まっているように見えます。

ここまでは、DeNAが本塁打不足に陥った理由を整理してきました。

ただ、本当に重要なのは「なぜ起きたか」よりも「これからどうするか」です。

長打力不足は一朝一夕で解決できる問題ではありません。

今季の補強だけでなく、ドラフト戦略や次世代打線の構想まで関わってくるテーマです。

ここから先は、

  • DeNAは今後どんなスラッガーを獲るべきか

  • ドラフト方針は変わるのか

  • エンカーナシオン補強だけでは足りない理由

について考えていきます。

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