5月末昇格から68イニング──尾形崇斗はもう“ローテ候補”ではない、来季は二桁勝利と規定投球回へ
9月5日の試合、DeNA先発の尾形崇斗は5回2/3を投げて2失点。
決して圧倒的な投球というわけではありませんでしたが、先発として試合を作り、打線の援護にも恵まれて勝利投手となりました。
今季の尾形を見ていると、もちろん良い登板ばかりだったわけではありません。
序盤から打ち込まれて早いイニングで降板した試合もあります。
制球が定まらず、四球を連発して苦しい投球になったこともありました。
それでも、好調なときには7回まで投げられる試合もあり、シーズンを進めるにつれて安定した登板が増えてきています。
そして何より評価したいのが、
5月31日に一軍登録されてから、一度も登録を抹消されることなく先発ローテーションで投げ続けているということです。
これはもう、「先発を試されている投手」と見る段階ではないのではないでしょうか。
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5月末からすでに68イニング
尾形は9月5日の登板を終えた時点で、今季68イニングを投げています。
ここで改めて考えたいのが、尾形が先発ローテーションに入った時期です。
開幕からではありません。
一軍登録されたのは5月31日。
つまり、シーズンが2か月ほど進んでから先発として投げ始め、それでも9月上旬の時点ですでに68イニングを積み上げているのです。
残り試合数と登板間隔を考えれば、おそらく今季はあと3試合ほど先発する機会があるでしょう。
そこで大きく崩れることなく最低5回を投げていけば、80イニング以上への到達も十分期待できます。
5月末から先発を始めた投手が、最終的に80イニング以上。
これはかなり大きな数字だと思います。
単純に今季と同じペースで開幕からシーズンを通して投げられるのであれば、120イニング以上を投げることも十分考えられます。
そう考えると、尾形はすでに「ローテーションの穴を埋めてくれた投手」ではありません。
シーズンを通して先発陣の一角を任せられる可能性を見せている投手と評価する段階に来ています。
崩れる試合があってもローテから外れなかった
今季の尾形には、もう一つ大きな意味があったと思います。
それは、一軍の先発ローテーションの中で失敗と修正を繰り返すことができたことです。
尾形は毎試合安定して6回、7回を投げてきたわけではありません。
時には早い回から打ち込まれ、時には四球から自ら苦しくしてしまう。
先発としてはまだ改善しなければならない部分もあります。
しかし、そのたびに二軍へ戻って調整するのではなく、次の登板も一軍で任されてきました。
そして実際に、その中で好投する試合も増えてきています。
先発投手として一年間ローテーションを守るために必要なのは、調子の良い日に素晴らしい投球をすることだけではありません。
年間20試合以上先発すれば、当然状態の悪い日もあります。
そんな日でも大崩れせず、5回、6回まで試合を作る。
そして状態の良い日には7回まで投げてブルペンを休ませる。
そうした登板を積み重ねていくことが、年間を通してローテーションを守る先発には求められます。
尾形は今季、その経験を一軍で積むことができました。
5月末から一度もローテーションを外れず9月まで来たという事実そのものが、来季への大きな材料になるでしょう。
来季は「ローテに入れるか」ではない
だからこそ、来季の尾形に対する期待値はもう一段上げたいと思います。
「開幕ローテーションに入ってほしい」
というだけではありません。
今季ここまでの内容を見る限り、来季は最初からローテーションの一角を争う存在として考えていいでしょう。
そのうえで期待したい数字があります。
二桁勝利と規定投球回です。
もちろん、どちらも簡単な数字ではありません。
二桁勝利には自身の投球だけでなく、打線の援護やリリーフなども関係します。
規定投球回に到達するためには、一年間ほぼ離脱することなくローテーションを守り、平均してある程度長いイニングを投げ続けなければなりません。
今季80イニング前後まで到達したとしても、そこから規定投球回まではまだかなり距離があります。
それでも、目標として掲げるだけの根拠は今季作ることができたと思います。
5月末から先発を始めて80イニング前後まで到達できるのであれば、開幕からローテーションを守れば100イニングを大きく超えることは十分可能です。
そこからさらに、現在見られる早い回での降板を減らし、6回、7回まで投げ切れる試合を増やしていく。
そうすれば規定投球回も現実的な目標へ近づいてきます。
そして規定投球回を狙えるほど一年間ローテーションを守ることができれば、二桁勝利のチャンスも自然と増えてくるでしょう。
今季が「先発として一軍に定着するシーズン」だったとすれば、来季は「主力先発として数字を残すシーズン」にしてほしいところです。
ただし、規定投球回は単純に一年間ローテーションを守れば届くものではありません。
今季の尾形の1試合あたりの投球回をそのまま当てはめると、実はまだ足りないものがあります。
では、規定投球回に到達するためには何を変える必要があるのか。
ここからは、今季の投球ペースを数字で整理しながら、尾形が「ローテーションの一人」から「主力先発」になるために必要な次の成長について考えていきます。