DeNAがGM制に回帰するとしたら──組織型フロントは変わるのか

DeNAは高田繁GM退任後、GMを置かない組織体制へ移行しました。現在のフロントはどのような仕組みで機能しているのか。そして将来、GM制が復活するとしたら、どのような形になるのでしょうか。
ハマノンタン 2026.06.28
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2012年にDeNAが球団を買収した際、球団改革の中心にいたのが高田繁GMでした。

低迷が続いていたチームを立て直すため、ドラフトや補強だけでなく、スカウト体制や球団文化まで含めた大改革を進めたことは多くのファンが知るところでしょう。

しかし、その後DeNAはGM職を置かず、三原一晃球団代表、萩原龍大チーム統括本部長、そして現在は木村洋太球団社長へと編成トップが引き継がれています。

では、DeNAはもうGM制に戻ることはないのでしょうか。

今回は現在の組織体制を整理しながら、もしGM制へ回帰するとしたらどのような形になるのかを考えてみます。

高田GMが担った「組織づくり」

2012年当時のDeNAは低迷していましたが、単に戦力が不足していただけではありません。

長年の低迷によって、

  • 球団経営

  • スカウト体制

  • 育成方針

  • 補強戦略

  • 現場との連携

など、多くの部分を見直す必要がありました。

そこで白羽の矢が立ったのが、高田繁GMです。

高田氏は選手・監督・GMとして豊富な経験を持ち、まさに球団改革を任せるのに適した人物でした。

ドラフト戦略の見直し、外国人補強、現場との橋渡しなど、現在のDeNAの基礎となる部分を築いた功績は非常に大きかったと言えるでしょう。

つまり、高田GMの役割は「勝てるチームを作る」だけではなく、「勝てる組織を作る」ことでもありました。

高田GMの後に続いた「組織型フロント」

高田GM退任後、DeNAは再びGMを置くことはありませんでした。

代わって編成の中心となったのは、

高田繁GM

→三原一晃球団代表

→萩原龍大チーム統括本部長

→木村洋太球団社長

という流れです。

ここで注目したいのは、後任となった人物はいずれも元プロ野球選手ではないという点です。

これは「プロ経験が不要になった」という話ではありません。

むしろ、高田GM時代に構築した組織が機能するようになり、一人のカリスマに頼らなくても球団運営ができる体制へ移行した、と考えた方が自然でしょう。

「人」が変わっても「方針」は変わらない

近年のDeNAを見ると、監督やフロントの担当者が変わっても、球団の基本方針は大きく変化していません。

  • データ分析を重視する

  • ファーム施設へ積極投資する

  • メディカル・フィジカル部門を強化する

  • ドラフトは長期的視点で考える

  • 現場だけでなくフロントも主体的にチーム作りを行う

こうした考え方は一貫しています。

これは特定の個人ではなく、組織そのものに哲学が根付いている証拠とも言えるでしょう。

つまり現在のDeNAは、「高田GMが強い球団を作る」という段階から、「誰がトップでも同じ方向を向ける球団」へ進化したように見えます。

GMがいなくても回る理由

現在のプロ野球は、一人のGMだけですべてを判断する時代ではありません。

ドラフト一つ取っても、

  • スカウトが選手をリストアップ

  • アナリストが選手データを解析

  • トレーナーがフィジカルチェック

  • 現場首脳陣が育成方法を考える

といった流れで多くの部門が関わります。

これは他の選手補強でも同様です。

つまり現在の編成は、かつてより遥かに分業化・専門化されています。

そのため、一人のGMが全てを決めるよりも、組織全体で意思決定する方が合理的な場面も増えています。

DeNAは、そのような現代型の球団運営を比較的早い段階から取り入れてきた球団と言えるでしょう。

現場任せでは勝てない時代

ファンの中には、「フロントは現場に口を出さず、お金だけ出していればいい」という考え方もあります。

確かに、試合中の采配や選手起用は監督やコーチが担うべき領域です。

しかし、現在のプロ野球はそれだけで勝てる時代ではありません。

ドラフト戦略や補強計画、データ分析、メディカル、育成プログラム、二軍運営など、チーム作りには現場だけでは担いきれない専門分野が数多く存在します。

これらまで現場任せにしてしまえば、監督やコーチの負担は大きくなり、長期的なチーム作りも担当者によって方向性が変わりやすくなります。結果として、組織全体の停滞や混乱を招く可能性もあるでしょう。

だからこそ現在のプロ野球では、現場とフロントがそれぞれの専門性を生かしながら役割を分担し、同じ方向を向いてチームを運営することが重要になっています。

ここまで見てきたように、現在のDeNAはGM個人に依存する球団ではなく、「組織で編成を行う球団」へと進化してきました。

では、この先DeNAが再びGM制へ回帰するとしたら、どのような条件が考えられるのでしょうか。

私は、その可能性は決してゼロではないと思っています。

ただし、もしGM制が復活するとしても、それは2012年当時の「高田GM型」とは全く異なる形になるはずです。

ここから先は、GM制が復活すると考えられるケースや、現在のDeNAに求められるGM像、そして現場経験者を起用するとすれば誰が適任なのかについて、私なりの考えをまとめていきます。

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