2軍首位は偶然ではない──DeNAが「少数精鋭」で結果を出せている理由
7月23日時点で、DeNAの2軍は14球団中トップの勝率を記録しています。
「2軍の順位に意味はあるのか」と思う方もいるかもしれません。
確かに、2軍の最大の目的は優勝ではなく、1軍で活躍できる選手を育てることです。
しかし今年のDeNAが首位に立っている背景を見ていくと、そこには順位以上に評価すべきポイントがあります。
私は今回の2軍首位は、「現在のDeNAの育成力」を示す一つの結果だと考えています。
2軍は人数が多い球団ほど有利
まず知っておきたいのが、2軍リーグは1軍とは置かれている環境が大きく異なるということです。
1軍では支配下登録人数やベンチ入り人数に制限があり、どの球団もほぼ同じ条件で戦います。
一方、2軍には「1軍登録選手しか出場できない」といった制限はありません。
支配下選手だけでなく育成選手も出場できるため、多くの選手を抱えている球団ほど有利になります。
選手数が多ければ故障者が出ても代わりを起用しやすく、連戦でも疲労を分散できます。
さらに有望な若手を数多く試すことも可能です。
実際、ここ数年の2軍戦では、3軍を保有する巨人やソフトバンクが毎年のように優勝争いを演じています。
つまり、2軍は選手層の厚さが順位にも反映されやすいリーグなのです。
DeNAは決して選手数が多くない
その中でDeNAは少し特殊な立場にあります。
7月23日時点で育成選手は13人。
3軍を編成できるほどの人数ではなく、巨人やソフトバンクのように大量の育成選手を抱えている球団ではありません。
もちろん支配下選手を含めれば戦力はいますが、「人数の多さ」で勝っているチームではないことは確かです。
それでもファームで首位に立っているということは、一人ひとりが高いパフォーマンスを発揮しているからこそ勝てていると言えます。
人数ではなく質で勝負している。
そこに今年のDeNA2軍の特徴があります。
投打ともリーグ上位の成績
実際、そのことはチーム成績にも表れています。
投手陣のチーム防御率は14球団トップ。
野手陣のチームOPSも14球団4位と、こちらもリーグ上位です。
投手が失点を最小限に抑え、打線が必要な得点を奪う。
投打のバランスが非常に良く、首位という結果にも納得できる内容となっています。
そして、この好成績を支えている選手たちの中には、すでに1軍でも結果を残し始めている選手が少なくありません。
深沢鳳介、篠木健太郎、尾形崇斗、古市尊、林琢真、宮下朝陽など、将来を期待される若手が着実に力を付けています。
2軍で結果を出した選手が実際に1軍でも戦力となり始めていることは、育成の成果を考える上でも非常に大きな意味があります。
順位以上に評価したいこと
もちろん、2軍は勝利だけを追い求める場所ではありません。
仮に優勝したとしても、誰も1軍で活躍できなければ育成として成功とは言えないでしょう。
だからこそ、2軍順位だけで育成を評価することはできません。
しかし逆に言えば、1軍へ送り出す選手を育てながら首位にも立っているという事実は評価に値します。
しかも人数で劣る状況の中で、それを実現していることには大きな意味があります。
私は今年の2軍首位は、「限られた戦力でも質の高い育成ができている」という証拠の一つだと考えています。
近年のDeNAは、高卒投手の台頭や若手野手の成長など、これまで課題とされてきた部分にも少しずつ成果が見え始めています。
今回の2軍首位も、その積み重ねが数字として表れた結果なのではないでしょうか。
ここまでは、「なぜ少人数のDeNAが2軍首位に立てているのか」を見てきました。
では、この結果から球団の育成方針については何が見えてくるのでしょうか。
私は今回の2軍首位を見て、「3軍を持たなければ育成できない」という考え方は必ずしも正しくないと感じました。
ここからは、
少数精鋭だからこそ得られる育成上のメリット
3軍制のメリットとデメリット
DeNAはなぜ3軍路線から方向転換したのか
という点について、私なりの考えを書いていきます。