【DeNA】森敬斗の現在地──センター転向で見えた新たな可能性と課題
DeNAの森敬斗は今季ここまで1軍出場がなく、ファームでプレーを続けています。
しかし昨年までとは大きく違う点があります。
それはショートではなく、センター一本で起用されていることです。
高い身体能力を武器にドラフト1位で入団した森敬斗ですが、プロ入り後は守備面で苦しみ続けました。
なぜ球団はセンター転向を決断したのか。
そして現在の森敬斗はどこまで成長しているのか。
高卒7年目を迎えた森敬斗の現状と今後の展望を整理していきます。
球団が下した「センター転向」という決断
森敬斗は2019年ドラフト1位で入団しました。
高校時代から高い身体能力を評価され、将来的にはショートのレギュラー候補として期待されてきました。
実際にプロ入り後も球団は一貫してショートとして育成を続けてきました。
しかし課題だったのが守備です。
広い守備範囲を見せる一方で、捕球ミスや送球エラーが目立ちました。
身体能力の高さが魅力である反面、安定感を欠く場面も少なくありませんでした。
さらに近年は林琢真や石上泰輝など内野手の競争も激しくなっています。
球団としてもショート育成を続けたい考えはあったでしょうが、高卒7年目を迎えた今季、大きな決断を下しました。
それがセンターへの転向です。
センター守備はまずまずのスタート
今季の森敬斗は外野、それもセンターでの起用のみになっています。(6/4時点)
森敬斗はプロ入り前にセンターを守った経験はありましたが、プロ入り以降から昨季まで1、2軍の公式戦でセンターを守っていませんでした。
そのため身体能力が高くても経験が少ないので、センターとしてはまだ現時点では名手と呼べる段階ではありません。
それでも持ち前の俊足を活かした守備範囲の広さは魅力です。
ショート時代に課題だった送球機会も減り、プレー全体に安定感が出てきました。
ここまで大きな失策もなく、センター守備としてはまずまずの結果を残しています。
少なくとも現時点で「センター転向は失敗だった」と言われる状況ではありません。
むしろ球団が目指した方向性は一定の成果を見せ始めていると言えるでしょう。
課題はやはり打撃
一方で1軍昇格が見えてこない最大の理由は打撃です。
今季のファームでは大体打率.250前後でOPSも.600台近辺です。
好調時は固め打ちしてOPS.700台に載ることもありますが、それが一過性で終わりやすく成績を大きく伸ばせない要因になっています。
センターは守れるだけではレギュラーになれないポジションです。特に打線においては1番打者など上位打線を任されることも多く、打つ方でもしっかり結果を残す必要があります。
特にDeNAは外野の選手層が厚く、打撃でアピールできなければ1軍の出場機会は限られます。
その点で今の森敬斗の打撃はまだ1軍昇格できる結果を残せていません。また内容としても、三振率が20%を超えていることが大きな課題で、明確な苦手コースがあります。
森敬斗の場合、自前の足の速さがあるので、三振を減らしてボールを前に飛ばす回数を増やせれば、その俊足を活かせる場面も増えていくでしょう。
盗塁成功率にも改善の余地
森敬斗の武器と言えば俊足です。
しかし今季の2軍での盗塁成功率は50%を下回っています。
一般的に盗塁は成功率75%前後が求められると言われています。
足が速いだけでは盗塁は成功しません。
スタート技術や投手の癖を読む能力なども重要になります。
せっかくの武器を活かし切れていない現状を見ると、ここにもまだ成長の余地があります。
センター守備に加え、走塁面でも強みを発揮できるようになれば評価は大きく変わってくるでしょう。
高卒7年目の今季が重要な1年になる
森敬斗はすでに高卒7年目です。
ドラフト1位として考えれば、そろそろ「将来性」だけでは評価されなくなる時期に入っています。
もちろんまだ若く、身体能力の高さは健在です。
センター転向によって新たな可能性も見えてきました。
しかし球団側も無限に待てるわけではありません。
まずはファームで打撃成績を向上させること。
そして今季中に1軍でセンターとして一定の結果を残すこと。
それが今後のキャリアを左右する大きなポイントになりそうです。
ここまでは森敬斗の現状を整理してきました。
では、センター転向は本当に成功なのでしょうか。
また、球団は森敬斗をあとどのぐらい待てるのでしょうか。
そして森敬斗は今後どのような選手を目指すべきなのでしょうか。
DeNAの外野事情や年齢構成も踏まえながら考えていきます。