【DeNA】2026年ドラフト展望──捕手補強で指名優先度に変化
捕手を「急いで獲る必要」がなくなった今、指名の主軸はどこに置かれるのか。
チーム状況を整理し、指名優先度の変化を読み解く。
2026年のDeNAのドラフト戦略は、年明け以降に一つの転機を迎えました。
昨年時点ではチーム状況を踏まえて「先発投手最優先」や桑原将志、伊藤光のFA移籍から「外野手の優先度上昇」「1軍に上げられる捕手の獲得」などが今年のドラフトのテーマとなると考えられましたが、人的補償で若手捕手を獲得したことで、その前提条件が変わりつつあります。
捕手補強によって何が変わったのか。
そして、2026年ドラフトでDeNAはどこに最も力を注ぐべきなのか。
本記事では、2026年1月時点のチーム状況を踏まえ、DeNAのドラフト指名方針と注目すべきポイントを整理していきます。
1. 人的補償で若手捕手を獲得した意味
DeNAはFA移籍した桑原将志の人的補償として、古市尊捕手を獲得しました。
古市捕手は23歳と若く、現時点で「1軍の主力」と言える存在ではありません。
ただし、2軍では着実に経験を積み、1軍でもスタメンマスクを被る機会が出てきていた捕手です。
DeNAの視点で見れば、山本祐大、戸柱恭孝、松尾汐恩といった1軍捕手陣ほどの信頼はまだ得ていないものの、2軍の若手捕手陣よりは明確に「計算できる存在」です。
これはドラフト戦略上、非常に大きな意味を持ちます。
本来であれば、こうした立ち位置の捕手を確保するには、大学生か社会人の捕手を3〜4位で指名する必要がありました。
しかし人的補償でその役割の捕手を先に確保できたことで、ドラフトの指名ポイントが一つ減ったと言えます。
2. 捕手のドラフト優先度はどう変わったか
昨年時点での捕手事情は、決して楽観できるものではありませんでした。
【before】
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1軍でマスクを被れる捕手が限られていた
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2軍捕手陣の停滞
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即戦力になり得る捕手の必要性
そのため、ドラフトで捕手を指名し、入れ替えと底上げを図る選択肢は十分に現実的でした。古市尊捕手を獲得したことで、状況が変わりました。
【after】
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1軍昇格が見込める若手捕手を獲得
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捕手不足に陥った時の対応が可能
結果として、2026年ドラフトで捕手を無理に獲りに行く必要性は大きく低下しました。
捕手指名は「基本的には不要。あるとすれば例外的なケースのみ」という位置づけになります。
3. 捕手問題は“解決”ではなく“一旦落ち着いた”だけ
ただし、ここで注意したいのは「捕手問題が完全に解決したわけではない」という点です。
古市捕手は正捕手候補というより、層を厚くする存在です。
今後も1軍は山本や松尾を中心とした体制が濃厚で、古市捕手がこれから順調に育ってくるかは未知数です。
あくまで今回の補強は、2026年ドラフトで捕手を「急いで獲らなくてよくなった」だけで一年、判断を先送りできる余裕が生まれたという整理が適切でしょう。
4. 捕手以外の補強優先度はどうなるか
4-1. 投手は引き続き最優先
捕手の優先度が下がっても、投手が最優先であることは変わりません。
先発ローテーションは依然として次世代候補が少なく、外国人投手への依存度も高い状況です。
大学生・社会人の即戦力投手、高校生の将来のエース候補、いずれも必要です。
さらに、リリーフ陣もリーグワーストクラスの防御率に沈んでおり、即戦力として結果を残せる投手の補強は急務と言えます。
4-2. 外野手の優先度は「中」から「やや上」へ
捕手を指名しない前提になることで、相対的に浮上するのが外野手です。
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センターを守れる若手が少ない
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外野陣の年齢構成が高め
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桑原の移籍で中堅層が薄くなった
外野はコンバートで補える側面もありますが、それに頼り切るのはリスクがあります。
捕手を獲らない分、外野を意識した指名に動く可能性は高まったと言えるでしょう。
4-3. 内野手は一芸型・将来投資枠として
内野手については、2025年ドラフトで比較的手厚く指名しているため、優先度は高くありません。
ただし、捕手を指名しないことで空いた枠を使い、
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守備特化
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走塁特化
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長打力特化
といった一芸に秀でた高校生内野手を、将来投資として獲得する可能性はあります。
5. 捕手を獲らないことで生まれる「ドラフトの余白」
DeNAは例年、5〜6人前後の支配下指名を行っています。
捕手を1人指名しないという判断は、単に「捕手を獲らない」という話ではありません。
その1枠を、
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投手を厚くする
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外野手を追加する
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将来性の高い素材に使う
といった形で戦略的に再配分できることを意味します。
2026年ドラフトは、編成の裁量が問われる年になりそうです。