【DeNA】相川監督退場騒動で見えた課題──打撃妨害もリクエスト対象にすべきではないか
宮﨑敏郎の打撃妨害を巡る騒動から見えてきたのは、監督でも審判でもなく、現在のリクエスト制度が抱える課題でした。今回の一件をもとに、打撃妨害のリクエスト対象化について考えます。
6月7日のソフトバンク戦で、相川監督が監督就任後初の退場処分を受けました。
延長11回、宮﨑敏郎の打席で発生した打撃妨害の判定を巡る抗議でした。
SNSでは
「相川監督は熱い」
「抗議は当然だ」
という声もあれば、
「ルールだから仕方ない」
「退場になるまで抗議するべきではなかった」
という意見も見られました。
しかし今回の件は、どちらか一方だけを責める問題ではないように思います。
むしろ見えてきたのは、現在のリクエスト制度が抱える課題です。
相川監督も引けなかった
今回、宮﨑本人が「ミットに当たった」とアピールしました。
現場でプレーした選手がそう訴えている以上、監督としては確認を求めるのが自然でしょう。
仮に何も言わずベンチへ戻れば、
「選手の声を聞いてくれなかった」
という話にもなりかねません。
特に延長11回2死一塁という試合を左右する場面です。
相川監督がベンチを飛び出したのは当然の行動だったと思います。
審判側も判定を覆せない
一方で審判側にも事情があります。
審判はその場で見た内容をもとにジャッジしています。
今回の責任審判も「我々はジャッジなので変えられない」と説明しています。
これは審判として当然です。
もし明確な根拠もなく抗議だけで判定を変え始めれば、試合そのものの公平性が失われます。
仮にここで判定を覆したら、今度はソフトバンクの小久保監督が猛抗議に出て、退場となってしまったでしょう。
つまり審判側も簡単には引けなかったのです。
問題はリクエストできないこと
では何が問題だったのでしょうか。
私は今回の最大の問題は、「打撃妨害がリクエスト対象外であること」だと思います。
現在の制度では映像確認による検証ができません。
そのため、
選手「当たった」
監督「確認してほしい」
審判「判定は変えられない」
という押し問答になるしかありません。
今回まさにそうなりました。
もしリクエスト対象であればどうだったでしょうか。
映像を確認した結果、
打撃妨害なら判定変更。
打撃妨害でなければ判定維持。
どちらであっても客観的な映像という判断材料が存在します。
少なくとも今回のような長時間の抗議や退場処分は避けられた可能性が高いでしょう。
「誰が悪いか」ではなく制度改善の議論を
今回の件で相川監督を批判する声もあります。
逆に審判団を批判する声もあります。
しかし冷静に考えると、両者ともそれぞれの立場で当然の行動を取っていただけとも言えます。
相川監督は選手の訴えを無視できなかった。
審判は自らの判定を簡単には覆せなかった。
だからこそ衝突が起きたのです。
今回の騒動を「どちらが悪い」で終わらせるのではなく、「なぜ確認できなかったのか」という制度面に目を向けるべきではないでしょうか。
リクエスト制度は導入から年数が経ち、対象プレーも徐々に拡大されています。
今回のようなケースを見ると、打撃妨害についてもリプレー検証の対象に加える時期に来ているように感じます。
退場劇そのものよりも、再発を防ぐための制度改善こそ議論されるべきテーマではないでしょうか。
ただし、制度を変える以上はメリットだけでなくデメリットも考えなければなりません。
ここからは、もし打撃妨害がリクエスト対象になった場合に起こり得ることと、その先にある野球の未来について考えてみます。