【DeNA】相川監督の“柔軟采配”は迷走なのか──批判の裏にある強みを読み解く
プロ野球が開幕して1ヶ月経ち、相川新監督の采配の「型」が見えてきました。この采配に、DeNAファンの間では賛否が分かれています。
主力選手をスタメンから外す日替わり起用、固定観念に囚われない打順・ポジション変更、そしてルーキーや2軍昇格組の積極起用。そのスタイルに対し、「主力を固定すべき」「選手の役割が曖昧になる」といった批判も少なくありません。
しかし、その柔軟さこそが、現在のDeNAに新たな強みを生み出している可能性があります。
本記事では、相川監督采配に対する批判点と、その裏で成果を上げている要素を整理しながら、その本質を考察します。
① なぜ相川監督の采配は批判されやすいのか
相川監督の采配が批判されやすい最大の理由は、従来の「主力固定型」の常識から外れている点にあります。
プロ野球では長年、中心選手を固定し、役割を明確にすることで安定したチーム運営を目指すスタイルが一般的でした。そのため、スタメンが日替わりになったり、主力が休養や不調で外れたりすると、ファンには「方針が定まっていない」「迷走している」と映りやすくなります。
特に、レギュラー争いの激しいチームほど固定化を求める声は強く、「この選手を使い続けるべき」「なぜ実績ある主力を外すのか」といった不満が生じやすいです。
ただし、今季のDeNAにおいては、単純に相川監督が固定を避けているというより、そもそも固定化そのものが難しいチーム事情も大きく影響しています。
開幕前から主力として期待されていた先発外国人投手のデュプランティエやコックスに故障離脱が発生し、投手運用は当初の想定通りには進みませんでした。
さらに、打線の中心である牧秀悟や筒香嘉智といった主力野手も離脱し、外国人選手のヒュンメルも不安定です。本来軸として考えていた戦力を継続的に固定することが難しくなっています。
つまり、相川監督は“理想的な固定オーダー”を組めない状況の中で、その時点で使える戦力を最大限活かす必要に迫られているのです。
このような背景を踏まえれば、現在の柔軟采配は単なる迷走ではなく、故障者が相次ぐ中でチーム力を維持するための現実的対応とも言えます。
② “柔軟采配”だからこそ掘り起こせた新戦力
一方で、相川監督の柔軟な起用法だからこそ、新たに戦力化された選手がいるのも事実です。
その象徴が勝又温史の抜擢です。2軍から昇格した勝又を積極的に起用し、結果として打線の新たな起爆剤として機能させました。従来型の慎重な起用であれば、実績不足を理由にここまで大胆に使われなかった可能性もあります。
また、度会隆輝のサード起用も特徴的です。外野手として見られていた選手に新たなポジションの可能性を持たせることで、編成の幅を広げようとする狙いが見えます。これは単なる奇策ではなく、長期的なチーム設計にも繋がる試みと言えるでしょう。
さらに、京田陽太のようなバックアップ要員を状況に応じてスタメン起用し、結果を引き出している点も見逃せません。控え選手に明確なチャンスを与えることで、チーム全体の競争力を維持する効果があります。
故障者が多い状況だからこそ、こうした新戦力の発掘はより重要であり、相川監督の柔軟采配はその点で確かな成果を上げています。
③ ルーキーの早期起用は“見極め”として大きな意味を持つ
島田、片山、宮下、成瀬らルーキーの早期1軍起用についても、結果だけを見れば課題が目立つ場面はあります。
しかし、重要なのは単純な成功・失敗ではありません。
早い段階で1軍レベルを経験させることで、その選手が現時点で何が通用し、何が不足しているのかを正確に把握できます。これは育成方針の修正や、将来的な補強ポイントの判断にも大きく関わります。
たとえば片山であれば、2軍では通用していた球威や制球が1軍ではもう一段階必要だという課題が明確になりました。宮下についても、昇格当初は結果を残せてましたが、徐々に相手チームに研究されて結果が残せなくなり課題が見えました。
これらは2軍に戻った後でも、次に1軍で活躍するための目安となりますし、2軍での練習や実戦でも常に1軍を意識して取り組めるようになります。
つまり、これらの起用は単なる“お試し”ではなく、チーム編成全体の精度を高めるための重要な情報収集でもあるのです。
では、この柔軟采配はDeNAを本当に強くするのか? 固定しないことは、優勝を狙うチームにとって本当にプラスなのか?
ルーキー早期起用の本当の狙い
“固定しない強さ”が現代野球で持つ意味
相川監督采配がDeNAの将来に与える影響
について、さらに深く掘り下げていきます。