DeNAが織田翔希を1位指名するなら──入団交渉で示すべき「MLBまでのロードマップ」

MLBも視野に進路を考える横浜高校・織田翔希。もしDeNAがドラフト1位で指名するなら、必要なのは「横浜に残ってほしい」という言葉ではなく、その先の世界まで見据えた育成プランではないでしょうか。DeNAだからこそ示せる「MLBまでのロードマップ」を考えます。
ハマノンタン 2026.08.24
サポートメンバー限定

夏の甲子園で注目を集めた横浜高校・織田翔希の進路が、ドラフトに向けた大きな焦点になっています。

横浜高校の村田浩明監督は、織田の進路についてNPBだけでなくMLBも視野に入れながら検討していることを明かしました。

高校卒業後、そのままアメリカへ渡るのか。それともNPBで力をつけてからMLBを目指すのか。

最終的にどの道を選ぶかは織田本人が決めることです。

ただ、もしDeNAがドラフト1位で指名するのであれば、入団交渉で単に「ベイスターズで活躍してほしい」と伝えるだけでは足りないでしょう。

必要なのは、

「DeNAに入ることが、将来MLBで活躍するためにどんな意味を持つのか」

を具体的に示すことだと思います。

※無料読者登録すると、DeNAの戦力分析・ドラフト・球団運営などの新着記事をメールで受け取れます。

「MLBかDeNAか」ではなく「MLBまでのDeNA」

織田がMLBを目標としているのであれば、まずその考えを否定しないことが重要です。

高校卒業後すぐにアメリカへ渡る選択肢には、若いうちから使用球やマウンド、生活環境などに適応できるメリットがあります。

一方、NPBを経由すれば、日本で身体を作り、実戦経験を積みながら先発投手としての完成度を高めたうえでMLBへ挑戦できます。

どちらが正解という話ではありません。

だからこそDeNAが提示したいのは、

「MLBよりもDeNAの方が良い」

ではなく、

「MLBを目指すための途中にDeNAがある」

という考え方でしょう。

特に織田ほど高い能力を持つ選手なら、地元球団というだけで進路を決めるとは考えにくいです。

「横浜だからDeNA」ではなく、

「MLBを目指すうえでDeNAに入るメリットがある」

と思ってもらえる提案が必要になります。

18歳から先発投手として完成させるロードマップ

そこで重要になるのが、入団後の育成計画です。

織田は高校生ながら150キロ台後半の直球を投げるなど、すでに高い出力を持っています。

しかし、プロの先発投手に求められるのは最高球速だけではありません。

年間を通してローテーションを守る身体、100球前後を投げても球威を維持する力、変化球の精度、制球力、コンディショニング能力など、身につけるべきものは数多くあります。

だからこそ、

「1年目から一軍で投げてもらう」

という短期的な話ではなく、

「MLBでも先発できる投手になるため、18歳からどう育てていくか」

を示したいところです。

例えば入団後1〜2年は、一軍登板を急ぐより身体作りと投球フォームの安定を優先する。

ファームで先発経験を積みながら年間を通して投げる土台を作り、その後一軍で登板機会を増やして20代前半でローテーションへ定着する。

さらにNPBトップクラスの投手まで成長した段階で、MLB挑戦について球団と話し合う。

もちろん成長速度は選手によって異なるため、「何歳でポスティング」と約束する必要はありません。

大切なのは年齢を決めることではなく、

「どういう投手になれば次のステージへ進めるのか」

を共有することでしょう。

DeNAには「育てる環境」がある

こうしたロードマップを示すうえで、DeNAには具体的な材料があります。

ファームの拠点「DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA」には、選手寮や屋内外の練習環境、トレーニングやリカバリーの設備が整えられています。

高校を卒業したばかりの投手にとって、野球と身体作りに集中できる環境があることは大きいでしょう。

特に織田のようにすでに高い出力を持つ投手だからこそ、

「さらに速い球を投げさせる」

だけではなく、その出力に耐えられる身体を作り、故障リスクを抑えながら長いシーズンを投げ抜く力を身につける必要があります。

さらにDeNAは、アナリストやトラッキングデータを活用した選手育成にも力を入れてきました。

直球がどのような軌道で届いているのか。

どの変化球との組み合わせが効果的なのか。

どこを伸ばせば、さらに高いレベルの打者から空振りを奪えるのか。

感覚だけではなくデータも使いながら、自分の投球を理解し、改善していく。

入団交渉では単に、

「施設が充実しています」

「データを使っています」

と説明するだけではなく、

「この環境を使って、あなたをこういう投手へ育てたい」

まで示せれば説得力は大きく変わるでしょう。

筒香と今永を送り出した実績もある

そしてDeNAには、MLB挑戦を語るうえでも実例があります。

筒香嘉智はチームの主軸、キャプテンとして活躍した後、ポスティングシステムを利用してMLBへ挑戦しました。

今永昇太も先発ローテーションの中心、日本を代表する投手へ成長した後、球団からポスティングによるMLB挑戦を認められています。

重要なのは、2人とも簡単に手放せる選手ではなかったことです。

戦力面だけを考えれば当然残ってもらいたい。それでも本人の希望と向き合い、世界へ送り出してきた。

これは、

「将来MLB挑戦を応援します」

という言葉以上の説得力を持ちます。

特に投手である織田にとっては、

DeNAで先発として成長し、その先にMLBへ進んだ今永

という具体的なモデルがあります。

「必ず何歳で送り出す」と約束するのではなく、

「そこまでの投手に成長した時には、MLB挑戦について真剣に向き合う」

という球団の姿勢を伝えることができれば、NPBを経由する選択肢にも意味を感じてもらえるのではないでしょうか。

ここまでは、DeNAが織田にどんな道を示せるのかを考えてきました。

ただ、MLB挑戦まで見据えて1位指名するのであれば、もう一つ考えなければならないことがあります。その覚悟は、球団だけでなくファンにも必要なのではないでしょうか。

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、951文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

サポートメンバー限定
DeNAドラフト最終指名予想──1位菰田陽生、外れ1位米沢友翔。即戦力...
サポートメンバー限定
2026年ドラフト上位24人を予想!1位・2位候補の顔ぶれと、指名順位...
サポートメンバー限定
なぜDeNAの1位に前田侑大を推したのか──“即戦力1位”ではない理由...
サポートメンバー限定
DeNAの「3度目の下剋上」でCSを変えるべきなのか──1位の突破率は...
読者限定
「あと1球」からの大逆転! DeNAがCS無傷の6連勝で突破──2年ぶ...
読者限定
27イニング連続無失点!DeNAが阪神に3連勝で王手──投手陣の奮闘と...
サポートメンバー限定
織田翔希がMLB挑戦を決断──DeNAのドラフト1位は誰になる?最終候...
読者限定
平良拳太郎の快投でCS3連勝!──阪神とのアドバンテージを消したDeN...