尾形崇斗は「右のエース」になれるか──7回2失点以上に大きかった首脳陣の続投判断
8月18日の巨人戦で、DeNAの先発・尾形崇斗が7回2失点の好投を見せました。
リーグ2位の強豪の巨人相手にこの投球は、十分に評価できる内容です。
ただ、この日の尾形について特に注目したいのは、単純な投球成績だけではありません。
6回を投げ終えた後も、首脳陣が尾形を続投させたこと。
そこに、現在の尾形に対する評価の高さが表れていたように思います。
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6回で交代しても不思議ではなかった
この日の試合は序盤から接戦となり、1点を争う展開が続いていました。
尾形はその中でも崩れることなく投げ続け、6回まで2失点。この時点でQSを達成し、先発投手として十分に役割を果たしています。
そして状況を考えれば、ここで交代してもまったく不思議ではありませんでした。
この日は火曜日で、リリーフ陣は前日試合がなく休養を挟んでいます。
さらに次の攻撃では尾形に打順が回ってきます。
チームは直近3連敗中。しかも1点差という接戦でした。
勝利をより確実に取りにいくのであれば、尾形の打席で代打を送り、7回からリリーフ陣につないでいく。
私自身も、その可能性が高いと予想していました。
しかし首脳陣の判断は違いました。
尾形はそのまま打席に立ち、そして7回のマウンドにも向かいました。
なぜ首脳陣は尾形を続投させたのか
では、なぜ首脳陣は1点差という接戦の中で、尾形に7回も任せたのでしょうか。
その理由を考えるうえでは、この日の投球内容そのものを見る必要があります。
尾形は決して順調な立ち上がりではありませんでした。
初回にはボークと悪送球が絡んで1点を失い、自らのミスから崩れかねない展開になります。
しかし、そこから大きく乱れることはありませんでした。
2回以降は球威のあるストレートと多彩な変化球のコンビネーションが冴え、巨人打線から次々と三振を奪っていきます。
6回まで毎回奪三振を記録し、特に一発の怖さがある4番・ダルベックからは3打席連続三振。
巨人打線の中心を封じることで、相手に勢いを与えませんでした。
そして、この日の尾形を評価するうえで大きかったのが5回です。
無死満塁という、この日最大のピンチを背負いました。
1点差の試合だけに、ここで連打を浴びれば一気に逆転されてもおかしくない場面です。
それでも尾形は慌てませんでした。
ピンチでも球威を落とさず、自分の投球を続け、許したのは犠牲フライによる1点だけ。
大量失点につながりかねない無死満塁を最少失点で切り抜け、チームのリードを守りました。
この場面は、首脳陣にとっても大きな判断材料になったのではないでしょうか。
初回に自らのミスで失点しても立て直せる。
無死満塁という大きなピンチを迎えても、冷静さを失わず最少失点で切り抜けられる。
そして三振を奪える球威も、終盤まで落ちていない。
つまり6回2失点という数字だけではなく、その内容を見ても尾形はまだ十分に打者を抑えられる状態だったと言えます。
続投そのものが示した首脳陣の信頼
この判断はかなり重要だったように思います。
6回2失点まで投げた先発に対して、
「十分に仕事をしてくれた。ここからはリリーフに任せよう」
と判断するのはごく自然です。
まして3連敗中の1点差。リリーフ陣にも休養があります。
少しでも尾形の投球に不安があるのであれば、無理に7回まで任せる必要はありません。
それでも続投させた。
つまり首脳陣は、この展開でも尾形ならもう1イニング任せられると判断していたことになります。
先発投手には、「6回まで試合を作れること」と「接戦の終盤まで任せられること」の間に意外と大きな壁があります。
ローテーションに入っている投手だからといって、誰でも1点差の7回を任されるわけではありません。
現在のDeNAで、こうした場面でも当然のように続投を任される投手を考えれば、まず思い浮かぶのはエースの東克樹でしょう。
もちろん現時点で尾形を東と同格に扱うことはできません。
それでもこの日の采配からは、尾形が単なる「ローテーションの一員」よりも、一段高い位置に近づいていることがうかがえました。
その期待に結果で応えた
そして重要なのは、尾形自身がその期待にしっかり応えたことです。
7回も巨人打線を抑え、最終的には7回2失点。
首脳陣が「もう1イニング任せる」と決断し、その判断を結果で正解にしました。
ここまでの尾形は先発として好投を重ね、すでにローテーション投手としての評価を高めていました。
しかし、この日の登板にはそれ以上の意味があったように感じます。
「先発として試合を作ってくれる」
という信頼から、
「接戦でも長いイニングを任せられる」
という確信へ。
首脳陣の尾形を見る目が、少しずつ変わってきているのではないでしょうか。
この日の続投判断からは、尾形に対する首脳陣の信頼が確実に高まっていることが見えてきます。
では、ここから尾形がさらに評価を高め、「右のエース」と呼ばれる存在になるためには何が必要なのでしょうか。