「CSを変えてきたDeNA」──2度の下剋上、3位からの日本一、そして今季は「2勝アドバンテージ」初適用なるか

12球団で最後にCS初出場を果たしたDeNAは、その後2度の下剋上を経験し、2024年には3位から日本一にまで到達しました。そして新制度初年度の今季、今度は自身が「2勝アドバンテージ」適用の瀬戸際にいます。
ハマノンタン 2026.09.08
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今季から、クライマックスシリーズのルールが変わりました。

ファイナルステージへ勝ち上がった球団が

「リーグ優勝球団と10ゲーム差以上」

もしくは

「レギュラーシーズン勝率5割未満」

の場合、リーグ優勝球団に与えられるアドバンテージが従来の1勝から2勝になります。

そして、その新制度が始まった最初のシーズン。

早くも「2勝アドバンテージ」が実際に適用されるのかどうか、注目される状況になっています。

その中心にいるのが、またしてもDeNAです。

9月6日終了時点でDeNAは57勝62敗3分、勝率.479の3位。

首位・阪神とは11.0ゲーム差です。

つまり現時点では、

「10ゲーム差以上」

「勝率5割未満」

という2勝アドバンテージの条件に、どちらも該当しています。

ただし、残り試合で十分に変わる可能性のある数字でもあります。

2勝になるのか。

従来通り1勝になるのか。

そのちょうど境界線にDeNAがいるからこそ、新制度初年度からこのルールが意識される展開となっています。

そしてDeNAとCSの歴史を振り返ってみると、これも何とも不思議な巡り合わせに思えてきます。

なぜならDeNAは、かつて12球団で最もCSに縁のなかった球団だったからです。

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今季から始まった「2勝アドバンテージ」

まず改めて、今季の変更について整理しておきましょう。

従来のCSファイナルステージは最大6試合。

リーグ優勝球団にはあらかじめ1勝が与えられ、アドバンテージを含めて先に4勝した球団が日本シリーズへ進出する仕組みでした。

2026年から、このルールに新たな条件が加わりました。

ファーストステージを突破した球団が、

・リーグ優勝球団と10ゲーム差以上

・レギュラーシーズン勝率5割未満

のどちらか一方でも満たした場合、優勝球団のアドバンテージが2勝になります。

この場合、ファイナルステージは最大7試合となり、アドバンテージを含めて5勝した球団が日本シリーズへ進出します。

両条件に該当しても3勝になるわけではなく、アドバンテージは2勝です。

この変更によって、レギュラーシーズン終盤の順位だけでなく、

「首位と何ゲーム差なのか」

「勝率5割を超えているのか」

という数字にも、これまで以上に意味が生まれることになりました。

DeNAはまさに「1勝か2勝か」の瀬戸際にいる

そして現在のDeNAが、まさにその新制度の境界線付近にいます。

9月6日終了時点で122試合を消化し、57勝62敗3分。勝率は.479です。

レギュラーシーズンは残り21試合。

今後新たな引き分けがないと仮定すれば、13勝8敗で70勝70敗3分となり、勝率5割まで戻すことができます。

簡単な数字ではありません。

しかし、まったく現実味がないほど遠い数字でもありません。

もう一つの条件であるゲーム差も、首位・阪神との差は11.0ゲーム。

基準となる10ゲーム差のすぐ近くにいます。

重要なのは、どちらか片方をクリアすればいいわけではないことです。

勝率を5割まで戻しても、リーグ優勝球団と10ゲーム差以上なら2勝。

反対にゲーム差を10未満まで縮めても、勝率5割未満なら2勝。

DeNAが通常の1勝アドバンテージでファイナルステージを戦うためには、最終的に両方の条件を回避する必要があります。

もちろん、まずはCS進出を決めること。

さらに2位を目指すことが優先されます。

ただ、残りの一つ一つの勝敗には、

「CSで相手に何勝のアドバンテージを与えることになるのか」

という意味まで加わってきます。

新制度初年度から、ここまで際どい位置にいる球団がDeNAというのも興味深いところです。

CSに最も縁のなかった球団が、CSを変えていった

今ではDeNAに「CSでの下剋上」というイメージを持つ人も多いかもしれません。

しかし、わずか10年前まではまったく逆でした。

DeNAが初めてCS進出を決めたのは2016年。シーズン3位で、球団史上初となるCS進出を決めました。

現在のCSが始まった2007年以降、当時まだCSへ出場したことがなかったのはDeNAだけ。

12球団で最も遅いCS初出場でした。

ところが、その初めてのCSからDeNAは早速存在感を見せます。

3位からファーストステージで2位・巨人を破り、いきなりファイナルステージへ進出。

リーグ優勝を果たした広島には敗れたものの、初出場でCSファイナルまで勝ち上がりました。

そして、本当の意味でDeNAが「CSの球団」になっていったのは、その翌年からでしょう。

2017年、14.5ゲーム差をひっくり返した最初の下剋上

2017年、DeNAは73勝65敗5分、勝率.529で3位となり、2年連続でCSへ進出します。

ファーストステージでは阪神を撃破。

そしてファイナルステージでは、リーグを連覇した広島と対戦しました。

この年の広島は88勝51敗4分、勝率.633。

DeNAとのゲーム差は実に14.5ありました。

レギュラーシーズンだけを見れば、両チームには大きな差があります。

それでも短期決戦ではDeNAが勝ちました。

第1戦を落とした後、第2戦から4連勝。

14.5ゲーム差を跳ね返して、セ・リーグでは初となる「シーズン3位からの日本シリーズ進出」を決めました。

まさに「下剋上」です。

そして、この結果はCSという制度の面白さを非常に分かりやすく示すものでもありました。

143試合では大きな差がついたチームでも、短期決戦なら勝つ可能性がある。

だからこそCSは最後まで何が起こるか分からない。

一方で、「14.5ゲーム差をつけてリーグ優勝した球団と、3位球団の差が1勝のアドバンテージだけでいいのか、という疑問が生まれるのも当然でしょう。

CSの魅力と難しさ。

DeNAはCS出場わずか2度目にして、その両方を見せる球団となりました。

そしてDeNAはいよいよ成し遂げます。

リーグ3位からの日本一へ。

以降、DeNAが本格的にCSへ影響を及ぼすパートへ続きます。

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