「優勝以外に価値はない」のか──それでも最後まで勝利を目指してほしい理由
プロ野球において、優勝は最大の目標です。
ファンとして優勝してほしいと思うのは当然ですし、選手や球団もそこを目指してシーズンを戦っています。
ただ、最近少し気になる意見を目にしました。
「Aクラスに入っても優勝できなければ意味がない」
「優勝が難しくなったのなら、来季のドラフトを考えてBクラスの方がいい」
「優勝できる首脳陣に変えてほしいから、むしろ今年は負けた方がいい」
こうした考え方です。
確かに、優勝を目指す以上、2位や3位で満足してはいけないという考え方は分かります。
私自身も「Aクラスに入ればそれで成功」と言いたいわけではありません。
それでも、「優勝できなければ2位でも6位でも同じ」「優勝が難しくなったら負けた方が将来のためになる」という考え方には賛同できません。
今回は、なぜそう考えるのかについて書いてみたいと思います。
優勝が最大の目標であることに異論はない
最初にはっきりさせておきたいのは、優勝の価値を低く見ているわけではないということです。
プロ野球のペナントレースを戦う以上、目指すべき頂点はリーグ優勝です。
「3位でも十分だから優勝を目指さなくていい」という話ではありません。
ただ、
「優勝が一番価値がある」
ことと、
「優勝以外には価値がない」
ことは全く違います。
ここを分けて考える必要があると思います。
例えば優勝できなかったとしても、シーズン途中から若手が台頭してAクラスまで順位を上げたのであれば、それは翌年につながる材料になります。
苦しい状況から借金を減らしたことも、CS争いのプレッシャーの中で勝った経験も、若い選手が重要な試合を経験したことも、すべてチームに残ります。
最終順位だけを見て、
「優勝ではなかったから意味がなかった」
と切り捨ててしまえば、シーズン中に積み重ねたものまで見えなくなってしまいます。
優勝が難しくなったら負けた方がいいのか
ここから、さらに疑問に感じる部分があります。
「優勝が難しいなら、来季を考えて順位を下げた方がいい」
という考え方です。
確かにプロ野球には、順位が低いことで得られるメリットもあります。
その代表例がドラフトです。
ドラフト2位は下位球団から指名していくため、順位が低ければ、それだけ早く2位指名を行えます。
例えば欲しい選手が複数球団から高く評価されている場合、この数球団の差によって獲得できるかどうかが変わる可能性もあります。
その意味では、下位になるメリットが全くないとは言いません。
ただし、それだけを理由に「だったら負けた方がいい」と考えるのは違うと思います。
そして、首脳陣を交代させるために負けることは、本当に来季の優勝へとつながるのでしょうか。
ここからはDeNAのドラフト戦略やチーム作りも踏まえながら、「負けることが本当に未来への投資になるのか」をもう少し深く考えてみます。