“走れないDeNA”でなぜ三森だけが走れるのか──15盗塁・成功率83.3%が示す技術
DeNAにとって今季、「盗塁」は決して強みとは言えません。
チーム盗塁数はリーグワースト。さらに盗塁成功率もリーグワーストと、数字だけを見れば「足を使えていないチーム」と言っていいでしょう。
もちろん、盗塁数が少ないこと自体が必ずしも悪いわけではありません。
盗塁には失敗したときにアウトカウントを一つ増やしてしまうリスクがあります。無理に走るくらいなら、打者に任せた方がいい場面もあります。
ただ、そんなDeNAの中で明らかに異なる存在感を見せている選手がいます。
三森大貴です。
8月30日終了時点で、三森はチームトップとなる15盗塁。
しかも単純に数が多いだけではなく、盗塁成功率は83.3%。走る回数と成功率を両立させています。
そして三森の足の価値が最もよく表れたのが、8月30日の中日戦でした。
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1点を追う8回、代走・三森
DeNAは8回裏、1点ビハインド。
残された攻撃イニングを考えても、どうしても同点に追いつきたい場面でした。
先頭の筒香嘉智が四球を選んで出塁すると、ベンチはすぐに動きます。
代走・三森。
ここまでは珍しい采配ではありません。
終盤の僅差で、足の速い選手を一塁走者に送る。三森の走力を考えれば、ごく自然な起用でしょう。
しかし、その直後に三森は代走という役割以上の働きを見せます。
続く宮﨑敏郎の打席。
その初球から三森はスタートを切り、二塁へ盗塁を成功させました。
しかも際どいタイミングではありません。
投手のモーションを完全に盗んだようなスタートで、捕手は二塁へ送球することすらできませんでした。
これだけでも無死一塁が無死二塁となり、同点の可能性は大きく高まります。
ところが三森は、それだけでは終わりません。
宮﨑への4球目。今度は三塁へスタートを切り、三盗まで成功させました。
わずか一人の打者の間に、無死一塁から無死三塁。
一本の安打も、犠打も必要としていません。
三森が自分の足だけで、同点走者を二つ先の塁まで進めてしまったのです。