「ファームで貯金30」に意味はあるのか──DeNAが示し始めた“3軍制とは違う育成モデル”
DeNAの二軍が、今季非常に強い戦いを続けています。
8/27時点で貯金30を積み上げ、中地区で首位。
他地区の首位チームと比較しても勝率では頭ひとつ抜けており、成績だけを見れば「二軍最強」と呼んでも大げさではない状況です。
一軍なら首位に立っていること自体に大きな価値があります。
では、二軍の場合はどうでしょうか。
「二軍でこれだけ勝っているのに、なぜ一軍は首位ではないのか」
「二軍で勝つことに、それほど意味があるのか」
「結局、二軍の選手が二軍の野球に慣れているだけではないか」
そんな疑問を持つファンもいるかもしれません。
確かに、二軍の目的を「勝つこと」だけに置くのであれば、その疑問にも一理あります。
しかし今季のDeNAを見ると、二軍の強さを単なる二軍の好成績として片付けるのは、少しもったいないように思います。
重要なのは、二軍で勝っていることではなく、勝てるだけの戦力層を作りながら、そこから一軍へ選手を送り出していることではないでしょうか。
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二軍で優勝しても、一軍が優勝するわけではない
まず整理しておきたいのは、二軍の順位と一軍の順位に直接的な関係があるわけではないということです。
二軍が優勝したからといって、翌年一軍が優勝するわけではありません。
そもそも一軍と二軍では、チームを作る目的そのものが違います。
一軍では目の前の試合に勝つことが最優先されます。
一方、二軍には若手の育成、故障者の調整、一軍で出番の少ない選手の実戦機会確保など、さまざまな役割があります。
極端に言えば、若手を育てるためなら多少勝率が下がっても構わないという考え方も成立します。
そのため、
「二軍が首位なのだから、一軍も首位でなければおかしい」
とはなりません。
むしろ見るべきなのは、その二軍からどれだけ一軍戦力が生まれているのかでしょう。
「二軍で勝っているだけ」なら確かに意味は薄い
二軍の勝利を評価するときには、一つ注意しなければならないことがあります。
それは、勝率だけを見て「育成が成功している」と判断しないことです。
例えば、一軍ではなかなか出場機会を得られない中堅・ベテラン選手を大量に起用し、若手の出場機会を減らしてまで二軍の勝利を優先しているのであれば、二軍首位という結果をそのまま育成の成功とは呼べないでしょう。
また、何年も二軍で好成績を残す選手が揃っているものの、一軍へ昇格すると誰も戦力になれないのであれば、
「二軍の環境に適応しているだけではないか」
という批判も成立します。
二軍はあくまで一軍につながる場所です。
だからこそ、誰が二軍で活躍しているかだけでなく、その選手が一軍へ上がったあとにどうなったかまで追いかけなければ、本当の意味で育成が成功しているかは分かりません。
「ファームで貯金30」という数字だけなら、それほど重要ではないのかもしれません。
ではなぜ、今季のDeNA二軍の強さには注目する価値があるのでしょうか。
ここからは、一軍への戦力供給という視点から、強い二軍がもたらしている変化と、DeNAが示し始めた“3軍制とは違う育成モデル”を掘り下げます。