DeNAは2026年ドラフトで何を優先すべきか──「即戦力投手」にこだわりすぎない補強戦略
もうすぐ8月が終わり、シーズンも佳境に入りつつあります。
DeNAは現在3位争いの真っ最中ですが、3位から6位までのゲーム差はわずか。借金も2桁に達しており、順位だけを見て「Aクラスだから順調」と言えるような状況ではありません。
では、今季ここまでの戦いを踏まえたとき、DeNAは今年のドラフトでどのような指名をするべきなのでしょうか。
筆者としては、今年は例年以上に投手を中心としたドラフトを考える必要があると思っています。
ただし、そこで単純に、
「先発が足りないから、ドラフト1位は即戦力の大学生・社会人投手」
と決めてしまうのは少し違うとも考えています。
今回は今季のチーム状況から、DeNAが今年のドラフトで何を優先するべきなのかを考えてみます。
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最大の課題は先発投手陣
今季のDeNAで最も大きな課題となっているのが、先発投手陣です。
先発防御率、QS率はいずれもリーグワーストに沈み、年間を通して先発ローテーションを安定させることができませんでした。
一方で、先発投手がQSを達成した試合では高い勝率を残しています。
つまり今季のDeNAは、
「先発が試合を作れば勝てる」
一方で、
「その試合を作れる先発が少ない」
という状態だったと見ることができます。
勝利への大きなボトルネックが、先発投手にあったと言ってもいいでしょう。
もちろん、今季は想定外も多くありました。
開幕前に期待されていた外国人先発のデュプランティエ、コックスが早い段階で戦列を離れ、入江大生や竹田祐も期待通りの成績を残せませんでした。
さらに石田裕太郎も故障で離脱。
開幕時に想定していた先発候補が次々と計算できなくなったことが、苦しい運用につながりました。
これだけアクシデントが重なれば、どの球団でも苦しくなるでしょう。
ただ、それだけで片付けるわけにもいきません。
年間143試合を戦えば、故障や不振は必ず起こります。
必要なのは、「開幕ローテーションの6人を揃えること」ではなく、
「故障者や不調者が出ても代わりを出せるだけの先発候補を抱えること」です。
極端に言えば、先発候補が6人いる状態ではなく、10人程度から状態の良い6人を選べるくらいの層が必要になります。
現状のDeNAは、東克樹、石田裕太郎、平良拳太郎、篠木健太郎、尾形崇斗、深沢鳳介と、6人の先発を揃えるのがやっとの状態です。
ここからさらに、ローテーション入りを競い合える投手を増やしていかなければなりません。
その意味でも、今年のドラフトで投手を多めに指名する必要性は高いでしょう。
先発不足はリリーフにも影響する
そして先発が安定しないことは、リリーフ陣にも影響します。
先発が5回まで持たなければ、その分だけ早い回からリリーフを投入しなければなりません。
それが何試合も続けば、勝ちパターン以外の投手まで重要な場面で使う必要が出てきます。
今季のDeNAは、リリーフについても最後まで安定した形を作れたとは言い難い状況でした。
開幕当初は山﨑康晃が抑えを務めていましたが、その後は不安定となり、現在はレイノルズが抑えを任されています。
そのレイノルズへつなぐ投手も固定できず、ルイーズ、浜地、中川虎、伊勢など複数の投手が重要な場面を担ってきました。
それぞれ能力のある投手ではあります。
ただ、接戦を勝ち抜いていくには、終盤の重要な場面を安心して任せられる投手を複数確保しておくことが理想です。
そう考えると、リリーフにも補強の余地があります。
ただし、ドラフトでリリーフ専門投手ばかりを集める必要はありません。
先発候補として獲得した投手が、結果的にリリーフで大きな戦力になる例は珍しくありません。
逆に、リリーフ専門として獲得した投手を先発へ転向させるのは簡単ではありません。
まず先発できる投手を多く確保し、その中から適性に応じてリリーフへ回す。
その方が、投手陣全体を厚くしやすいでしょう。
先発候補を増やすことは、結果的にリリーフの強化にもつながります。
野手は若手の台頭が目立った
一方で、野手については今季かなり明るい材料が増えました。
度会隆輝、勝又温史、松尾汐恩、宮下朝陽らが一軍で結果を残し、来季以降のレギュラー争いに加わってきています。
ファームでも小田康一郎、井上朋也らが成長を見せており、今後一軍戦力として期待できる選手が増えてきました。
さらに途中補強のエンカーナシオンも素晴らしい活躍を見せています。
もちろん、野手に補強ポイントがないわけではありません。
宮﨑敏郎、筒香嘉智らベテランの年齢を考えれば、将来的な後継者は必要ですし、センターラインについても競争をさらに激しくしていく必要があります。
それでも、「若手野手がいないから、ドラフトで優先的に補充しなければならない」という状況ではなくなってきました。
むしろ今季若手野手が台頭したからこそ、今年は例年以上にドラフト指名枠を投手へ使いやすくなった、と見ることもできます。
そう考えれば、今年は投手中心のドラフトになっても不思議ではありません。
ここまでを見ると、
「それならドラフト1位も、来季すぐ使える大学生・社会人投手でいいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、ここは少し分けて考える必要があります。
今年は投手を多く指名するべきだとしても、それと「ドラフト1位で即戦力投手を取るべきか」は別の問題です。
実際、上位指名された大学生・社会人投手が1年目からローテーションを支えられるとは限りません。一方で、高校生でも数年でエース級へ成長する投手はいます。
では、来季の先発不足と、3年後・5年後の投手陣をどう両立して考えるべきなのでしょうか。
ここからは昨年のドラフト指名選手の実績や高卒投手の成長例、さらに外国人・FA補強まで含めて、DeNAがドラフト1位で本当に優先すべきものを考えていきます。